無垢材ってどんな素材?メリットとデメリットやお手入れの仕方を紹介
フローリングなどに良く使われる素材の無垢材。ですが、「どんな特徴を持った素材なのか漠然としか知らない」「あまり詳しくは知らない」という方も多いかもしれませんね。
無垢材に詳しくない方のために、今回は無垢材とはどんな素材なのかをご紹介いたします。無垢材を使用するメリットデメリットや、長持ちさせるためのお手入れ方法についても解説しますので、是非ご一読ください。
■無垢材のメリット
無垢材のメリットを5つご紹介いたします。
・木材特有の風合い
自然の木をそのまま使用しているので、唯一無二の柄を楽しむことができます。最近は無垢材に近い合板材もあります。しかし無垢材が人気なことは変わらず、自然独自のあたたかみや不均一な板の品質は合板には出せないからといえるでしょう。
・経年変化を楽しめる
無垢材の中には経年によって色を変えるものや、独特のツヤが楽しめるものがあります。ウイスキーの樽のようなツヤと色合いはなかなか他のフローリング材では出すことができません。時間とともに変化をする無垢材に愛着がある方も多いようです。
・調湿作用
無垢材は自然の木材を使用しているため、湿度が高いときは湿気を吸い、湿度が低いときは放湿するという性質があります。そのため、自然と部屋の中が過ごしやすい湿度に保たれるというメリットがあります。
・冬場の冷えを緩和
一般的な合板フローリングを使っていると、冬に足から冷えを感じるという方も多いのではないでしょうか。
無垢材は木特有の空気を多く含むという性質があるので、空気が断熱材代わりになり、冬場でも床からの冷えを軽減することができます。
・清潔に保ちやすい
無垢材は木の精油を含んでいます。そのため、ダニやカビ、細菌など人体に有害な物質の繁殖を抑える効果があります。アレルギーが気になる方や、乳幼児のお子さんやペットがいる家庭では、床の清潔さが保てるというのは嬉しい事ではないでしょうか。
■無垢材のデメリット
多くのメリットをもつ無垢材ですが、デメリットもあります。こちらでは無垢材がもつ3つのデメリットをご紹介いたします。
・膨張と収縮を起こしやすい
メリットとして無垢材には調湿機能があることをご紹介しましたが、湿気を多く吸収すると無垢材は膨張し、逆に放湿すると収縮を起こすため、床に隙間ができたり、フローリングが反る原因にもなってしまいます。したがって調湿機能はメリットであると同時にデメリットにもなっています。
施工時に対策をすることができるので、無垢材の膨張と収縮が気になる方は、事前に施工業者に相談をしておくことをおすすめします。
・傷がつきやすい
使用する木材の性質にもよりますが、一般的に合板フローリングよりも無垢材フローリングは柔らかく、傷がつきやすい素材です。
うっかり重たいものや尖っているものを落としたり、家具などで負荷がかかると凹んでしまうことがあります。ペットの爪による傷もつきやすいので、ペットがいる家庭は傷に強い素材を選ぶなどの工夫をしましょう。
・水に弱い
無垢材は水に弱いので、濡れたらすぐに拭き取らなければなりません。ジュースやワインなどをこぼすとシミになりやすいというデメリットもありますが、普通の水であってもシミになってしまうことがあります。
表面をコーティングしていても完全に浸水を防ぐことはできないので、水濡れには要注意です。
■フローリングは無垢材と複合の2種類
・無垢材フローリングの特徴
無垢材フローリングとは、天然の木を伐り出したままのフローリング材です。色や木目の形に木の個性を感じられ、素材そのものの素朴な質感と温かみを味わえます。
暖房器具の熱による反りやヒビ割れを起こしやすいデメリットもありますが、最近は加工技術が進化したことで熱に強い無垢材フローリングも登場しました。
ナチュラルなインテリアにこだわる方や、天然素材を好む方などに人気です。
・複合フローリングの特徴
複合フローリングとは、基材に複数の合板を張り合わせて表面に化粧材を施したフローリング材です。防音性や耐熱性のある素材を基材として使用することにより、汎用性を高めています。表面の化粧材は薄く削った天然木を張り付けたものや、樹脂に木目をプリントしたものなどバリエーションも豊富です。
反りや伸縮が少ないことから施工もしやすく、日常的なシーンでも扱いやすいと人気があります。
・無垢材=高額ではない
一般的に木目に節の少ないものや、耐久性に優れた木材は高級なフローリング材として分類されます。また、複合フローリングと比較すると高額なものが多いため、無垢材といえば高額なイメージをもたれがちです。しかし、なかには節の入ったものや加工しやすい素材など、手頃な価格で販売されているものもあります。
それぞれに異なる魅力があるので、部屋によって素材を使い分けるのもおすすめです。
■無垢材フローリングの種類と特徴
・パイン
パインとは、よく使用される無垢材の一つです。素朴な温かみを感じられ、時間の経過とともに変化する深い色はパイン材ならではの味わいとして、昔から多くの人に親しまれています。材質がやわらかいため、お子さんやお年寄りなど家族が集まるリビングにおすすめの素材です。
・スギ
柔軟性があるため加工しやすく、和室・洋室ともに相性のよい無垢材です。スギ材独特の香りが部屋全体に広がります。
また、肌触りが滑らかなので裸足で歩いた際に心地よさを感じられます。赤ちゃんのいるご家庭にぴったりの素材です。
・ヒノキ
高級浴槽の素材として知られますが、フローリング材としても需要がある素材です。部屋全体にヒノキ独特の香りが漂い、心身ともにリラックスできる空間に仕上がります。時期によって価格が変動しやすいものの、傷に強く耐久性に優れているため、リビングに最適です。
・チェスナット
チェスナットとは、クリの木を原料とする無垢材です。存在感のある木目が印象的で、力強さを感じます。強度や耐湿性に優れており、水回りの足元に適しています。
・オーク
船やウイスキーの樽などに多用されている素材で、耐久・耐水性に優れた無垢材です。手頃な価格と高級感の漂うシックな木目が魅力で、リビングのフローリング材として人気があります。
■無垢材の張り方の種類
無垢材の張り方は複数あり、カジュアルにもモダンにも仕上げることが可能です。
以下では、無垢材の代表的な張り方を紹介します。
・定尺張り
りゃんこ張りとも呼ばれる、最もスタンダードな張り方です。
同じ長さの無垢材を一定の間隔で交互にずらして張っていくことで、規則的に揃った継ぎ目がとても美しく印象的に仕上がります。
・乱尺張り
さまざまな長さの無垢材を使う張り方です。
継ぎ目がランダムなので長さを揃える必要がなく、費用を抑えられます。
その時々の木材によって、表情豊かに仕上がります。
・斜め張り
壁に対して無垢材を斜めに張る手法です。
部屋の印象を変えたいときや、特殊な形の間取りに多く見られます。
視覚的に奥行きを感じられ、デザインを重視する方に人気のある張り方です。
・ヘリンボーン張り
魚の背骨を連想させる形で、ハの字型に張っていきます。
ヘリンボーン張りには種類があり、無垢材の接地面を45度に加工して張り合わせたものは、フレンチヘリンボーン張りと呼ばれます。
北欧テイストやフレンチテイストなど、海外にある住宅のようにおしゃれに仕上げたい方におすすめです。
・市松張り
同じ長さの無垢材を、1つの正方形に見えるように組んで張る方法です。
色や組み方によって、さまざまな雰囲気に変化します。
同じ張り方でも、木片の大きさや色合い、木目を変えればオリジナル模様が作れます。
他にもさまざまな張り方があるので、お気軽にご相談ください。
■無垢材フローリングのリフォーム費用
無垢材フローリングは一畳あたり25,000~45,000円、複合フローリングは一畳あたり15,000~35,000円が相場です。
リフォーム費用は床材の価格と施工費、施工面積の合計で算出されます。
・クッションフロアからフローリングへ
クッションフロアからリフォームする際の費用相場は以下の通りです。
【無垢材フローリング】
4.5畳 7~14万円
6畳 9~17万円
8畳 10~21万円
【複合フローリング】
4.5畳 7~13万円
6畳 8~15万円
8畳 10~19万円
・カーペットからフローリングへ
カーペットからリフォームする際の費用相場は以下の通りです。
【無垢材フローリング】
4.5畳 8~14万円
6畳 9~17万円
8畳 10~21万円
【複合フローリング】
4.5畳 7~13万円
6畳 8~15万円
8畳 10~19万円
・畳からフローリングへ
畳からリフォームする際の費用相場は以下の通りです。
【無垢材フローリング】
4.5畳 13~19万円
6畳 16~24万円
8畳 20~31万円
【複合フローリング】
4.5畳 13~18万円
6畳 15~22万円
8畳 19~29万円
・フローリングからフローリングへ
フローリングからリフォームする際の費用相場は以下の通りです。
【無垢材フローリング】
4.5畳 13~16万円(張り替え)/9~15万円(上張り)
6畳 15~20万円(張り替え)/11~18万円(上張り)
8畳 18~25万円(張り替え)/13~23万円(上張り)
【複合フローリング】
4.5畳 10~13万円(張り替え)/9~12万円(上張り)
6畳 12~17万円(張り替え)/10~14万円(上張り)
8畳 14~21万円(張り替え)/12~17万円(上張り)
※いずれのケースもスギ材を想定した場合の相場です。防音加工の有無によって費用は変動します。
また、フローリングのリフォーム費用は工法によっても変動するため、詳細は見積書をご確認ください。
■無垢材の塗装
無垢材の表面を塗装すると、どのような効果やメリットがあるのでしょうか。以下では、無垢材の塗装についてご紹介いたします。
・塗装の役割とは
無垢材に塗装をする理由を2つ見ていきましょう。
1つ目は、無垢材を保護するためです。
無塗装の場合、無垢材の表面に傷や汚れがついてしまいます。塗装をすることで、塗料の成分が汚れの原因となる水分や油分の浸透を防ぎ、害虫や菌の発生を抑えることが可能です。
また、表面が乾燥しにくくなり、ささくれやひび割れの心配を減らせます。
2つ目は、無垢材を美しく見せるためです。
塗装をすることにより、表面にツヤが出て無垢材の味わいが深くなります。
また、しっとりして木目も美しく際立つでしょう。
・塗装の種類
無垢材の塗装には、コーティング塗装や自然塗装などがあります。
<コーティング塗装>
表面に専用の樹脂を塗り、塗膜を張ることで無垢材を傷や汚れ、乾燥から守ります。その名の通りコーティングするため、本来の質感や手触り、調湿性は薄れますが、木目や色が鮮やかになるのがメリットです。
<自然塗装>
植物から採取した油分や蜜ろうなどを使った天然由来の塗装で、徐々に浸透してマットに仕上がります。保護力はコーティング塗装より劣りますが、無垢材の自然な質感がそのまま活かされる人気の高い塗装です。
なお、無垢材は無塗装で使っても問題ありません。無塗装は無垢材の魅力を味わえ、経年による色の変化を楽しめるのが特徴ですが、表面がむき出しなので、傷や汚れ、乾燥による変形を避けられません。
傷みも味わいの1つと捉えると、無塗装の魅力が味わえるでしょう。
・塗装の選び方
いろいろな塗装があるので、選ぶときは仕上がり具合や手入れ方法などを参考にしてみましょう。
たとえば、ツヤ感や手入れのしやすさを優先するならコーティング塗装、無垢材の質感や再塗装、補修のしやすさを優先するなら自然塗装がおすすめです。
また、無垢材を張る場所によって塗装を変えるのもよいかもしれません。
無垢材の塗装は、効果や目的に合わせて選びましょう。
■無垢材を長持ちさせるお手入れ方法
無垢材は日頃のお手入れによって美しく保つことができます。
しかしお手入れ方法を間違えると逆効果になることもあります。最後にお手入れで気を付けたいポイントを2つご紹介いたします。
・強い洗剤や薬品を避ける
無垢材は非常にデリケートな床材なので、強い洗剤や薬品を使うとシミの発生や傷みの原因になってしまいます。ワックスなども種類によっては変色の原因になるので、お手入れをするときは無垢材に使えるものを業者から聞いておくと安心です。
・水拭きの場合は硬く絞る
水に弱い無垢材は、水拭きをすると膨張やカビの原因になってしまいます。普段はできるだけ乾拭きにし、水拭きをする場合は雑巾を硬く絞り、できるだけ床に水が染み込まないようにしましょう。フローリング用のモップ類を使うときも、水で濡れた状態での使用は避けた方が無垢材を長持ちさせることができます。
無垢材は複数の種類を張り合わせてオリジナルの床をつくるなど、おしゃれな内装にこだわりがある方は自分だけの床をデザインしてみるのも面白いかもしれませんよ。
無垢材は扱いが難しいと思われがちですが、正しいお手入れをすれば長く美しい風合いを楽しむことができます。
無垢材のフローリングに興味がある方は是非アートリフォームにご相談ください。
■おしゃれなアートリフォームの実例をご紹介!
・アートリフォーム事例①
奥様が「アンティーク調の住まいにしたい」という強いイメージを持っておられたため、無垢材の床やチェッカーガラスの木製建具、クローゼットのルーバー扉やモールディングのキッチンなど、素材を活かしてクラシックな雰囲気に仕上げました。ステンドグラスや照明などもお施主様からの支給。『好き』を追求した住まいに生まれ変わりました。
【アンティーク調のリフォーム事例】無垢材を使い奥様の『好き』を形に
・アートリフォーム事例②
天然無垢材フロアの昭和レトロな住まいが完成しました。板張りの床や天井、クラシカルな網戸など、昭和レトロな中古物件が気に入ったお施主様。「床は無垢材にしたい」と、青森産の天然ヒバ材を採用。古いマンションの趣と無垢材が融合した、味わい深い空間が誕生しました。無垢材ならではのあたたかみを持つ天然ヒバ材のフロアは、レトロな板張りの天井とも良く合います。
【ウッディなリフォーム事例】天然無垢材フロアの昭和レトロな住まい
・アートリフォーム事例③
猫と暮らす無垢フローリングの家が完成しました。全てイケアでそろえたというリビングスペース。プランナーさんに相談しながら購入ができたので、大きな買い物でも安心して買うことができたとのこと。お施主様のイメージを確認しながらしっかりと猫が活動できるようなキャットウォークを。猫がひっかいても問題のないコンクリートむき出しの空間はデザイン的にもカッコいい仕上がりになりました。