スケルトンリフォームはどんなリフォーム?【気になる費用や施工事例紹介】
スケルトンリフォームという言葉を聞いたことがありますか?
スケルトンリフォームは既存住宅の骨組みを残した状態で行う、大規模なリフォームのことで、リノベーションと呼ばれることもあります。
スケルトンリフォームは日本で増えつつある空き家の再活用手段でもあり、新規住宅を建てる以外にも注目を集めつつあるリフォームです。
今回はスケルトンリフォームの内容や、気になる施工例をご紹介いたします。
■スケルトンリフォームの費用はいくら?
まずは気になる費用についてご紹介いたします。
・スケルトンリフォームの種類
スケルトンリフォームは大きく、「内装のみ」「内装と外装」「外装のみ」の3種類に分かれます。
<内装のみのスケルトンリフォーム>
外壁を残したまま、内部のみを手がけるリフォームです。水回りの移設や間取り変更のほか、耐震補強や断熱施工なども可能なため、居住空間を希望に応じてリフォームできます。
スケルトンリフォームの中でも、比較的費用を抑えやすいのが特徴です。
<内装と外装のスケルトンリフォーム>
建物の基礎と骨組みを残し、新築同様の姿に作り替えます。
法律により、住宅を建て替えられない場合の選択肢としても有効なリフォームです。
しかし、解体に手間と時間がかかるうえ、廃材の処分量が多くなるため、スケルトンリフォームの中では最も費用がかかります。
<外装のみのスケルトンリフォーム>
建物の内部はそのままに、外壁のみを手がけるリフォームです。外壁の損傷が激しく、塗装では手に負えない場合や、外壁を一新したい場合に行われます。
・内装のみの場合と外装と内装を変える場合で大きく費用が異なる
戸建ての場合、内装のみをリフォームするのか、外装もリフォームするのかで大きく費用が変わります。
たとえば30坪の戸建てをスケルトンリフォームをする場合、内装のみの相場は1,300万円前後といわれています。(地域などで異なる場合があります)
外装を含むスケルトンリフォームでは2,000万円近く必要になります。
およそ500~700万円の差があるので、スケルトンリフォームを考える場合は、予算をしっかり決めておきましょう。
・建て替えとスケルトンリフォームならどっちがお得?
建て替えとスケルトンリフォームの場合、一般的にはスケルトンリフォームがお得になりますが、もし基礎部分が傷んでいると修繕費用が必要になりますので、基礎の状態次第になります。基礎は住宅の表面からは分からないので、解体作業中に発覚することもあります。
また、修繕が不要な場合であっても耐震性能を高めたり、断熱材を新しくするとスケルトンリフォームの費用が膨らみますので、あくまで必要以上に手を加えず、基礎の状態が良い場合ならスケルトンリフォームがお得といえます。
・マンションのスケルトンリフォーム費用
マンションでは、外装や共有部分に手を加えることはできません。よって、内装の専有スペースのみをリフォームすることになります。50㎡のマンションなら、スケルトンリフォームの相場は600万円程度ですが、こだわりが強い場合や使用する素材などによって、金額はどんどん上がります。
マンションでもこだわりぬいたスケルトンリフォームは1,000万円以上かかることもあるので、こだわりたい部分がある場合は優先順位を決めて妥協するポイントを考えておきましょう。
■スケルトンリフォームでよくある疑問
こちらではスケルトンリフォームで疑問に思われがちな3つのお悩みについてご紹介いたします。
・スケルトンリフォームが向かない住宅はある?
残念ながらスケルトンリフォームが向かない住宅もあります。
パターンは2つあり、1つは基礎部分の損傷が大きいパターンです。基礎部分の損傷が大きいと、修繕費用が高額になってしまうので、建替えた方がお得になることもあります。
もう1つのパターンは、既存住宅の設計方法によるものです。たとえば2×4(ツーバイフォー)工法などの工法を採用している住宅では、ネジなどの細かな部品まで全て規格サイズがあり、柱や壁などを変更や外すことができない箇所が多くあります。そのため、間取り変更に大きな制限がかかってしまい、間取り変更をしたい場合のスケルトンリフォームには不向きとされています。
・物件を購入してスケルトンリフォームをするなら注意点はなに?
スケルトンリフォームで物件を購入する場合、使用できるローンはリフォームローンと住宅ローンの2つがあります。
ただし、住宅ローンを申請する場合は見積書が必要なので、申請の2~3ヶ月前にはリフォーム会社で見積書をだしてもらいましょう。
また、相見積もりをしてサービスや費用を比較することも大切になります。住宅ローンのために焦って見積もりを1社しかとらないと、アフターサービスなどが不十分な可能性もありますので、必ず相見積もりをとりましょう。
・工期はどれくらい?
スケルトンリフォームは基礎部分に修繕が必要かで工期が変わるので、はっきり工期を述べることができません。工事の規模にもよりますが、戸建てでは平均して2~3ヶ月くらいが必要になります。現地調査の手配からを計算すると、最短でも半年近くかかることがあります。スケルトンリフォームをする場合は早めに業者と相談をしましょう。
また、住みながらリフォームができるという話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、住みながらスケルトンリフォームをすると更に工期が長くなってしまいます。依頼する業者も住みながらの工事に慣れている場合でないと断られることがほとんどなので、仮住まいの用意はほぼ必須だといえるでしょう。
■スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ
スケルトンリフォームで費用を抑える方法をご紹介いたします。
・間取りを変えない
間取りの大幅な変更は、工事費用が高額になる傾向にあります。そのため、スケルトンリフォームでは既存の間取りを活用することが費用節約の大きなポイントになります。
間取り変更で特に高額になりやすいところが水回りです。水回りは配管と電気系統の工事も必要なので特に費用がかさんでしまいます。間取りを変更する場合はできるだけ水回りを避けるようにすると費用を節約することができますよ。
・設備のグレードを下げる
キッチンやユニットバスのグレードは、スケルトンリフォームの工事費用にも大きく影響を与えます。特に最新モデルは高価なので、型落ち品や古いモデルを使えば同じグレードでも安くなります。
設備のグレードは本当に必要な機能をピックアップして選ぶことがポイントです。譲れないポイントと、妥協できるポイントを分けておくことで設備を選びやすくなりますし、性能の比較にも便利ですよ。
気になる製品をリストアップしてリフォーム業者やショールームの店員に相談すると、的確なアドバイスをもらいやすくなります。
・費用の優先順位を付ける
スケルトンリフォームは非常に大掛かりなリフォームなので、施工業者と打ち合わせを行っている間に様々な提案を受けると思います。最初に決めていた内容も、施工業者の話を聞いているうちに決心が揺らいだり、本当にこのままでいいのか悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、提案されたことを全て受け入れると、リフォーム費用が非常に高額になってしまいます。悩んだときのために具体的な考え方の指標となるものを用意しておきましょう。
考えておくことは3つだけです。
①絶対に行いたいリフォーム(予算をかけたい場所)
②リフォームにかける予算
③優先順位の低いリフォーム内容
リフォームを成功させるには、全てのリフォーム内容に優先順位を付けることが重要です。優先順位を付けておくことで、打ち合わせなどで本当に必要な工事かを判断することができます。
・プロに相談する
どれだけ考えても悩んでしまうことはあります。そんなときは考え過ぎず、一度プロに意見を求めてみましょう。
たとえば「予算から〇〇万円超えてしまうので節約したい」と伝えれば、どこを変えれば費用を抑えることができるのかを一緒に考えてくれます。プロはノウハウも十分ありますし、できるだけ意見を尊重して提案をしてくれるでしょう。
反対に、話をろくに聞かず、きちんと相談に乗ってくれない業者は、工事が始まってトラブルが起きた際の対応が不安です。本当に依頼しても大丈夫なのかを考え直した方が良いかもしれません。
・500万円台でもスケルトンリフォームは可能
スケルトンリフォームはどれだけ費用を抑えても1,000万円近くかかるイメージですよね。
実際の相場はマンション、戸建てともに最低800万円程度からとなっています。
なお、戸建ての場合はマンションよりも自由度が高い分、どうしても高額になります。
しかし、上手く調整すれば予算500万円ほどでもスケルトンリフォームは可能です。
スケルトンリフォームの費用を考える際に必須となるポイントは、やはりリフォーム内容に優先順位をつけることです。
ほかには複数の業者から相見積もりをとること、コスパのいい施工方法を選択すること、工事費以外に必要な費用を考えるという点も重要です。
相見積もりは4社程度に依頼することで相場を知ることができます。施工方法は使える建材を再利用する方法などです。反対に完全オーダーメイド工法では高額になってしまいます。工事費以外に必要な費用には、仮住まいの家賃や引っ越し費用、作業員の駐車場代などがあります。
どのような費用が必要になるのか細かく把握しておき、節約できるところがないかを考えてみましょう。
■スケルトンリフォームのメリット・デメリット
スケルトンリフォームを検討中なら、メリットとデメリットも判断材料の一つにしてみてください。
・スケルトンリフォームのメリット
注文住宅のように自由度が高いにもかかわらず、費用は抑えられる点が最大のメリットです。
老朽化した住宅も最新設備を採用した住宅へリフォームできるため、不満に感じていた生活動線や性能なども一気に改善できます。
また、細部まで手を加えることで、より家族が安心して快適に暮らせるでしょう。
思い入れのある住宅に住み続けたい方には、特におすすめのリフォーム方法です。
・スケルトンリフォームのデメリット
部分リフォームよりも工事の規模が大きいため、費用の負担も大きくなります。設備やグレード、工事内容にこだわりすぎると、予算を超えてしまうかもしれません。
また、工事内容は住宅の大きさや状態、周辺環境によっても左右されるので、何度も打ち合わせをする必要があります。
構造によっては、水回りの移設や間取り変更に制限がかかるケースもあるので、その点もリフォーム業者とよく相談しておきましょう。
なお、マンションの場合は共有部分のリフォームができないなど制限が多いので、注意が必要です。
■スケルトンリフォームで理想の住宅を叶えよう
間取り変更を行う場合は、以下のポイントに意識を向けてみてください。
・生活に合わせた間取りを採用する
間取りを考える際は、家族の快適性を重視しましょう。LDKを広くしたり部屋の一角に書斎を設けたりなど、選択肢はさまざまです。
ライフスタイルをもとに設計すると、生活の質が向上します。
・生活動線と家事動線を意識する
動線が的確であれば、快適な暮らしが自然に実現します。
起きてから寝るまでの動きをスムーズにしたり、家事の負担を軽減したり、これまで感じていたストレスが解消され、便利で住み心地のよい住宅が叶うでしょう。
・リフォームの機会に収納を見直す
使い勝手の良し悪しは、家庭によって異なります。どの部屋にどれほどの収納があればよいか、家族にも意見を求めましょう。
そのうえで、リフォーム業者のアドバイスを参考に決めるのがおすすめです。また、収納を増やしたいなら、玄関収納やウォークインクローゼットを導入してもよいでしょう。
整理整頓がしやすくなり、家事効率の向上にもつながります。
・将来まで視野に入れて考える
小さなお子さんがいる場合は、将来を見据えて柔軟に変更できる間取りを採用するのもおすすめです。
たとえば、間仕切りを設置しておくと、お子さんの成長に合わせて間取りを変化させられます。
また、壁紙や床材は次回のリフォームを想定して交換しやすい素材を採用するなど、10年先をイメージして計画を立てるのが理想的です。
■スケルトンリフォームで生まれ変わった住宅
最後に、スケルトンリフォームで生まれ変わった住宅を3つご紹介いたします!
・マンションを細部までこだわったアメリカンヴィンテージ風に変身!
アメリカンヴィンテージスタイルのマンションは4LDKで工期は35日でした。シーリングライトが便利なキッチンや、照明スイッチもアメリカンスイッチにすることで細部までこだわりぬいたおしゃれな住宅になりました。
・賃貸マンションでもできる!木の温もりがやさしいシンプルデザイン
賃貸でも規約を守っていればスケルトンリフォームができることがあります。今回ご紹介する賃貸マンションは2DKで工期はおよそ1ヶ月でした。
白い壁と木目が美しい、自然の温もりがあるシンプルなデザインで、家具やインテリアも幅広いジャンルから組み合わせることができます。
・古民家再生で和洋折衷いいとこどり!
古民家を再生したスケルトンリフォームでは、4LDKの戸建てを5か月の工期で和モダンな住宅へと変身させました。どこか懐かしさも残る和の雰囲気と、使いやすい洋の間取りを取り入れることで和洋折衷のいいとこどりになっています。
耐震性能を見直すべき住宅は一般的に築30年以上のものといわれています。耐震性能に問題がなければ、スケルトンリフォームはお得に新築気分を味わえますよ。
アートリフォームではスケルトンリフォームに向いている物件の探しからお手伝いしているので、スケルトンリフォームに興味がある方は是非一度ご相談ください。
アートリフォームの中古リノベーション詳細はこちら
■おしゃれなアートリフォームの実例をご紹介!
・アートリフォーム事例①
築40年のおうちを個性的なおうちにリフォームしました。今回のリフォームではリビングの拡張も行い、ゆったりとしたくつろぎの空間に。キッチンも対面キッチンにし、カウンターを配置。料理をするだけでなく語らいのスペースにも変身。ピンク色の部屋とエメラルドグリーン色の壁の部屋がそれぞれあり、お施主様の好みが反映しています。
・アートリフォーム事例②
アメリカンヴィンテージstyleの空間が完成しました。内装などはご夫婦で選定。こだわりが詰まったアメリカンヴィンテージな空間が目新しさを生んでいます。キッチンはPanasonic/リビングステーションVスタイルを。カップボードなどの細かい部分もイメージを壊さないようなものにしました。天井はご主人、フローリングは奥様の好みのものにしました。