和室を洋室にリノベーション!費用や注意点はある?
これから長く生活をするうえで、和室よりもメンテナンスが簡単な洋室にリノベーションしたいと考える人が増えています。和室を洋室にするにはどれくらいの費用が必要なのでしょうか。
今回は和室を洋室にリノベーションする際の費用や注意点についてご紹介いたします。
■和室を洋室にリノベーションするには
・和室を洋室にリノベーションする費用と工期
和室を洋室にリノベーションする場合、部屋の大きさによって費用に差があります。また、使用する壁材や床材によっても費用が異なるため、ここでは6畳程度の和室をフローリングの洋室にリノベーションする場合をご紹介していきます。
完全な洋室にリノベーションするには安くても80万円が相場となり、高額な場合は100万円を超えることもあります。また、工期は短くても1週間程度かかりますが、床の段差を合わせる工事などが必要な場合は、さらに数日かかることも珍しくありません。長ければ1か月かかることもあります。
・費用の内訳
和室を洋室にリノベーションする場合、畳をフローリングに変える費用、壁材や天井を変える費用などが必要になります。それぞれ安くても15万円が相場となり、壁材は素材によっては30万円以上かかることもあります。
また、収納を押し入れからクローゼットに変える場合は20万円からが相場となり、ウォークインクローゼットを作る場合は間取り変更が必要なケースもあるため、収納だけで100万円かかることもあるでしょう。事前に業者と相談して予算をしっかり決めておくことをおすすめします。
・依頼はどんな業者にすればいい?
依頼する業者を決める際は必ず相見積もりを取り、洋室へのリノベーション実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。
特に和室を洋室にリノベーションする場合は、ほかの部屋との調和なども重要なので、施工事例などで写真を見てイメージに沿った施工ができそうかを判断しておきましょう。
■和室を洋室にリノベーションする際のポイント
和室を洋室にリノベーションする際のポイントを3つご紹介します。
・防音性について
畳は柔らかく、防音性が高いため、和室の床には畳以外に遮音性の高い素材が入っていないことがあります。畳を剥がしてそのままフローリングにすると、マンションの場合は下の階に音が響いてしまいかねないため、必ず防音性について確認を行いましょう。
また、強度が足りないこともあるため、和室の床には防音性と強度を上げるための施工が必要になることが多いです。戸建てであっても断熱性などの確認を行うようにしてください。
・開き戸について
和室では通常、襖が扉の役割りを果たしていますが、洋室にリノベーションする場合は襖から扉に変えなくてはなりません。また、隣の部屋や廊下と段差がないように工事を行わないと転倒のリスクもあります。
扉は引き戸であれば簡単な工事で済みますが、開き戸にしたい場合は扉の開く方向を考えたり、壁を作る必要があるため、業者との打ち合わせを十分に行いましょう。
・部分リフォームはあり?
和室と洋室は基本となる構造が違います。そのため、雰囲気だけを洋室にしたい場合は壁材や床材の変更だけでも印象は変わりますが、使い勝手はあまり良くないかもしれません。洋室にリノベーションしたい場合は、機能性にも意識を向けてリノベーション規模を考えるようにしましょう。
また部分的に手を加えるよりも、まとめてリノベーションを行う方が費用は割安になることがあります。部分的なリフォームと、全体のリノベーションでどれくらい費用が異なるのか調べてみることをおすすめします。
■フローリングにはどんな種類がある?
フローリングは大きく、天然素材と加工素材に分かれます。
・複合フローリング
基材の表面に薄く加工した天然木やシートを貼り合わせた床材で、天然木のような見た目と質感を手軽に味わえる点が特徴です。使い続けても反りや歪みが起こりにくいほか、加工を施すことにより、防音性や耐衝撃性、抗アレルゲンを高めた製品もあります。
また、色味やデザインのバリエーションも多く、比較的見た目も均一です。
・無垢フローリング
丸太を切り出した一枚板で、天然木ならではのやわらかさや香り、肌触りを味わえます。
しかし、製品によっては調湿作用がある反面、反りや歪みが起こりやすいため、こまめなお手入れが必要です。
また木材の個体差により、見た目に多少のばらつきがありますが、時間とともに味わい深く変化する様子が好まれています。
・フローリングに使用される木材の種類
和室を洋室にリノベーションするときに、よく使われる木材の種類と特徴をご紹介いたします。
<ウォールナット>
堅牢性(けんろうせい)に優れているため、家具などにも使われている木材です。
重厚感のある焦げ茶色から、時間の経過とともに明るい赤茶色へ変化します。
<ブラックチェリー>
バラ科のサクラ属に分類され、きめの細かい滑らかな肌触りが特徴です。
使い続けるうちに、少しずつ赤みが増していきます。
<メープル>
強度があり、摩擦や衝撃に強いのが特徴です。
色味が白く明るいので、ナチュラルな雰囲気の部屋に合います。
<チェスナット>
はっきりとした、うねりのある木目が特徴です。
水分に強く耐久性があるため、建物の柱や鉄道の枕木などに使われてきました。
<チーク>
油分を含んでいるので水分や害虫に強く、しっとりと滑らかな手触りが特徴です。
時間の経過とともに、味わいのあるあめ色に変化します。
<オーク>
硬さとやわらかさのバランスがよく、加工がしやすいので、日本では主流のフローリング材です。
ただし耐水性がある一方、湿度の影響を受けやすいので、メンテナンスが求められます。
<タモ>
木目がはっきりとしているため、塗装を施しても美しく浮かび上がるのが特徴です。
強度と柔軟性を兼ね備える材質で、野球のバットにも使われています。
<バーチ>
淡いピンクの色味で木目は薄めですが、個体差によるばらつきが少なく、加工のしやすさから人気があります。強度や耐水性が高く、やさしい肌触りとメンテナンスのしやすさが特徴です。
<ローズウッド>
耐食性に優れ、希少性が高いことから高級素材として扱われてきました。紫を帯びた褐色が、時間の経過とともに美しい黒色へと変化します。
<パイン>
木質がやわらかく、メンテナンスをしやすいのが特徴です。
香りと肌触りがよく、無垢材の心地よさを存分に味わえます。
白く明るい色味から、少しずつあめ色に変化していきます。
<ヒノキ>
水分や害虫に強く、腐食しにくいことから、浴槽や桶にも使われています。木目が美しく、部屋の中によい香りが広がるので、昔から愛されてきた無垢材です。
<ブナ>
衝撃に強い一方、気候の影響による反りや腐食が激しいため、床材としては稀な存在でした。
しかし、加工技術が進化した今では、床材や家具にも使われるほど一般的な木材です。
赤みがかった白い色味で、ナチュラルや北欧テイストの部屋によく合います。
■和室を洋室にリノベーションするメリット
和室を洋室にリノベーションするメリットを、いくつかご紹介いたします。
・自分好みの空間が叶う
和室を洋室にリノベーションすると、さまざまなテイストのインテリアに対応できます。
リビングや他の部屋とも馴染みやすく、統一感のあるおしゃれな空間に仕上げられるでしょう。
・メンテナンスの手間を省ける
和室を洋室にリノベーションした場合、メンテナンスの負担を減らせます。
本来、畳は年に数回の天日干しが必要なうえ、食べものや飲みものをこぼしたときは、目地に汚れが入り込む前に対処しなければなりません。
しかし、フローリングなら手際よく拭き掃除をすれば、きれいを維持できます。
・バリアフリーも実現しやすい
和室を洋室にリノベーションしておくと、介護用ベッドを設置するときや車いすを利用するときも便利でしょう。
将来のバリアフリー化に先駆け、リノベーションを検討するのもおすすめです。
■人気の和モダンな部屋へリノベーションする方法
和室を洋室にリノベーションする際、最近は完全な洋室にするのではなく、あえて和室の名残を残して和モダンな空間にする方が多くいます。和モダンな洋室にリノベーションしたい場合に重要な4つのポイントをご紹介いたします。
・天井は高さを合わせる
和室と洋室は多くの場合、天井や間仕切りの高さが異なります。そのため、洋室と和室をつなげたい場合は、天井の高さを合わせることで統一感のある空間を作ることができるでしょう。
また、照明にダウンライトを付けたい場合は、天井に下地が入っている必要があるので、希望する照明の種類まで考えておきましょう。
・畳は縁なしが◎
近年、縁がない畳の人気が高まっています。通常の畳に比べてカジュアルな印象になるため、和モダンな洋室を作りたい場合は縁なしの畳を使うという方法もありますよ。
ただし縁部分は擦り切れやすいので、頑丈な素材を選びましょう。
・仕切りは格子にすると一気に雰囲気が出る
リビングと和室を区切りたい場合、格子を使うことで和モダンな印象に変わります。格子の隙間から中の様子をうかがうことができるため、小さなお子さんがいるご家庭でも安心できるのではないでしょうか。
格子はフローリングの色と合わせると、ナチュラルな印象になるのでおすすめです。
・ナチュラル素材と組み合わせる
和室はナチュラルな素材と非常に相性がよいので、和モダンな洋室にする際も木製の家具や観葉植物など、ナチュラルなものを組み合わせると調和しやすくなります。また、和室は背の低い家具とも相性がよいので、和の雰囲気をどれくらい残したいかによって家具の高さを調整しましょう。
■リノベーションした部屋の照明選び
和室から洋室にリノベーションする場合、選ぶ照明により印象は大きく左右されます。照明選びに重要なポイントをこちらでご紹介いたします。
・照明選びの基準
照明は3つの基準で選びましょう。
①明るさ
部屋の印象だけでなく、どのように過ごしたいかによって適した明るさが異なります。電球の色以外に、照明の形でも光の広がり方が異なるので、ショールームなどでよく確認しておきましょう。
均等に照らしたい場合はシーリングライト、柔らかく光が広がるペンダントライトなどもあります。
②素材とデザイン
照明の素材やデザインも大切ポイントです。和モダンな部屋と相性がよい素材は竹や和紙素材が代表的ですが、デザインを活かしたい場合は間接照明を取り入れるという方法もあります。
また、ダウンライトなどを取り入れると、よりスタイリッシュで都会的な印象が表現できますよ。
③隣接する部屋との相性
和室を洋室としてリビングにつなげるリフォームをした場合、リビングの雰囲気を壊さないものを選ぶことが大切です。
モダンな雰囲気のリビングであればスチールなどシンプルでスタイリッシュなデザイン、ナチュラルで温かみのあるリビングなら木製や和紙などを使った照明と相性がよいでしょう。洋室側から見たリビングと、リビング側から見た洋室の両方を確認し、違和感がないデザインを選ぶようにすると照明を選びやすくなります。
・機能で選ぶ
最近は機能性に優れた照明も多くあります。明るさを数段階に分けて変更できる調光機能や、人を感知して自動的に点灯・消灯する人感センサー付きのもの、照明の高さを調整できる昇降機能付きのものなどです。
多目的に部屋を使用したい場合は、明るさの調整ができるものを選ぶと、シーンに合わせて使い分けることができます。
また、使用する電球をLEDにすると、寿命が長く省電力にもつながるのでコストを下げられるでしょう。
和室を洋室にリノベーションすると、メンテナンスや掃除がしやすいといったメリットがあります。
和室のリノベーションを考えている方は、リノベーション実績が豊富なアートリフォームまでご相談ください。