外壁リフォームの主流!サイディング材を使ったリフォームとは
外壁はリフォームをすることで耐久性やデザイン性が向上するメリットがありますが、どのようにリフォームをしたらよいのかわからないことも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、近年の外壁材の主流ともいえるサイディング材について解説いたします。
■サイディング外壁とは
以前はモルタルの外壁材が主流でしたが、現在は外壁素材の80%以上をサイディング材が占めると言われています。
・そもそもサイディング材とは
サイディング材とは、レンガや木目などをデザインしたパネル状の外壁材です。張り付ける場所の面積に応じてカットできるので無駄がなく、外壁リフォームの負担を抑えられます。
耐久性や耐熱性に優れていますが、気候や紫外線などの影響による劣化は免れず、定期的にメンテナンスをしなければなりません。
・サイディング材とモルタルの違い
モルタルとは、セメントに水と砂を混ぜてつくる建築素材で、味わい深く仕上げられるのが魅力です。
ただし、施工の際は知識と技術を要するうえ、職人が少しずつ外壁に塗り付けていくので、完成までに時間と費用がかかります。
対してサイディング材は複雑な工程を省ける分、手頃にイメージを一新できるでしょう。
■サイディング材の種類
代表的な4種類のサイディング材について、簡単にご紹介いたします。
・窯業系サイディング
セメントや砂でできたサイディング材は窯業(ようぎょう)系サイディングに分類されます。
窯業系サイディング材は他のサイディング材に比べてパネルが重たいので、住宅への負荷が大きく、地震のときに剥がれ落ちてしまう危険があります。しかし砂やセメントが材料なので、耐火性が非常に高いというメリットもあります。
<耐用年数とメンテナンスの目安>
窯業系サイディングの耐用年数は20~40年が目安で、メンテナンスは7~10年を目処に実施しましょう。
また、年に1~2回は自分で水洗いをして、表面の汚れを落とす工夫も大切です。
・金属系サイディング
アルミや鋼板でできたサイディング材は金属系サイディング材に分類されます。
金属製なのでサビや腐食を起こさないように気を付けなければなりません。また、熱伝導率が高いので、夏場は住宅内が高温多湿になりやすいという特徴があります。
施工の際は住宅とサイディング材の間に空間を作り、空気と湿気を逃すような工夫が求められます。
<耐用年数とメンテナンスの目安>
金属系サイディングの耐用年数は、20~40年が目安と考えましょう。メンテナンス周期は、10~15年に1度と窯業系よりも長めです。
とはいえ、2~3か月に1度は水洗いをして、表面の汚れを洗い流しましょう。
・木質系サイディング
木材でできたサイディング材は木質系サイディング材に分類されます。
天然の木を使用しているので、木目が美しく自然のあたたかさを感じさせる外観にすることができます。
見た目がおしゃれなので人気の高いサイディング材ですが、木製なので耐火性・耐水性が低く、腐食を起こしやすいのでこまめにメンテナンスを行わなければいけません。
<耐用年数とメンテナンスの目安>
木質系サイディングの耐用年数は15~40年が目安で、他のサイディング材よりもやや短めです。
メンテナンス周期も同様で、平均8~10年、地域によっては3~10年と、腐食しやすい特性に影響されます。
なお、自身で高圧洗浄をするのは、避けたほうが無難です。
・樹脂系サイディング
塩化ビニル樹脂を素材にしたサイディング材は樹脂系サイディングに分類されます。
樹脂系サイディング材は日本ではあまりメジャーなサイディング材ではありませんが、北米で誕生したのでアメリカやカナダでは多くの住宅で使用されています。
耐寒性・耐酸性雨・耐ひび割れの性能が高く、非常に頑丈なサイディング材です。
<耐用年数とメンテナンスの目安>
樹脂系サイディングの耐用年数は20~50年と、比較的長めです。
メンテナンス周期は平均10~20年、製品によっては30年ほど長持ちします。
塩害に強く、汚れは雨によって洗い流されるため、日頃のメンテナンスもほぼ不要です。
なお、汚れが気になったときは自身で高圧洗浄を行うなど、気軽にメンテナンスができます。
■サイディング材のメリットとデメリット
まずはサイディング材のメリットとデメリットをご紹介いたします。
・サイディング材のメリット
①理想の外観をつくれる
サイディング材はデザイン性・カラーバリエーションともに豊富な種類があります。
すでに外観イメージがある場合、理想に近いデザインが見つかりやすいという点は大きなメリットといえるでしょう。
②コストが低い
サイディング材は工場で大量生産されているので低コストで手に入れやすいということもメリットの一つといえます。最近は耐久性が高いものも増えており頻繁に用いられるようになりました。
③工期が短い
レンガやタイルの場合、職人の手仕事になるうえ、乾くまで時間が必要です。しかしサイディング材は1枚の大きな板のようになっているので作業時間が短くなり、工期も短期間で終わります。
・サイディング材のデメリット
①塗装が必要
耐久性の高いサイディング材とはいえ、それのみでは耐水性が低く、雨水から住宅を守るために外壁の表面を塗装コーティングしなければなりません。コーティング剤は定期的な塗り直しが必要です。
②コーキング材の劣化
コーキング材とはサイディング材のつなぎ目や、窓の周囲を埋めている柔らかいゴムのような素材のことで、別名シーリング材とも呼ばれます。コーキング材は経年劣化を起こしやすく、放置していると伸縮やひび割れてしまいます。ひび割れが発生すると雨漏りなどの原因になるので、サイディング材だけでなくコーキング材も定期的にメンテナンスが必要です。
■サイディング外壁の劣化症状
メンテナンスのサインについてご紹介いたします。
・目地が劣化している
目地のメンテナンス周期は、5~10年が目安です。
肉痩せ、ひび割れ、剥離、破断、欠落などの症状が表れたら、メンテナンスを検討しましょう。
放っておくと、雨水などが染み込んで内部に影響を与えます。
・カビやコケが発生している
表面にカビやコケが発生したときは、防水機能の低下が疑われるため、高圧洗浄やバイオ洗浄を試みましょう。
ただし、除去するだけでは再び発生するので、メンテナンス後に塗装が必要です。
・チョーキング現象が起きている
チョーキング現象とは、外壁に触ると粉が付く現象です。紫外線や雨の影響により、塗装の効果が薄れている状態を意味するので、外壁のリフォームを検討しましょう。
放っておくと、カビの発生につながる可能性があります。
・色あせ/変色している
色あせや変色は紫外線による影響で、表面の塗装が劣化しているサインです。
同時にチョーキング現象も発生している場合は、早めに対処しましょう。
・ひび割れが発生している
外壁の塗装が劣化すると、雨の日は水分を蓄えて膨張し、晴れの日は乾燥して収縮します。
これらを繰り返すうちに、窓枠や釘の周りで歪みが発生し、ひび割れが表れます。
ひび割れた部分に水が染み込むと、別のトラブルにつながるので、早めに対処しましょう。
なお、1か所のひび割れを修繕しても、別の箇所がひび割れる可能性があるので、塗装をするか外壁を張り替えるのがおすすめです。
・浮き/反りが見受けられる
水を含んで膨張したサイディング外壁が太陽光で乾くと、同時にサイディング自体が反り返ってしまうため、浮いて見える場合もメンテナンスのサインです。
軽度であれば杭を打ち込んで応急処置もできますが、形状をもとに戻すことは不可能なため、早めに張り替えましょう。
放っておくと隙間から水が浸入するため、リフォームの規模が大きくなるかもしれません。
■サイディング材を使ったリフォーム
サイディング材を実際に使った外壁のリフォームについてご紹介いたします。
工法は2つありますので、外壁のリフォームを考えている方はどちらの工法を利用するか考えてみてくださいね。
・張り替え工法
既存の外壁材を一度全て剥がしてから新しい外壁材を張りなおすという工法で、築年数が30年以上経過しており、外壁の劣化が酷い場合はおすすめの工法です。
張り替え工法を行う場合、工事費用、外壁材の費用以外に、剥がした古い外壁材の撤去費がかかります。
しかし完全に張り替えを行うことで、より美しく耐久性の高い外壁にすることができます。
一般的に工事全体の相場は150万~250万円くらいですが、住宅の大きさや使用するサイディング材などによって変動します。
・カバー工法
既存の古いサイディング材に大きな劣化が見られない場合、新しいサイディング材を重ね張りするカバー工法が有効になる場合もあります。
張り替え工法とは異なり、既存の外壁材を取り外す手間がかからずコスト面を下げることができ、工期も短くなります。カバー工法を使う場合は、外壁が二重になるので軽量なサイディング材を選ぶのがおすすめです。
一般的に工事全体の相場は130万~210万円くらいですが、住宅の大きさやサイディング材などによって変動します。
サイディング材は日本の住宅づくりで頻繁に外壁に用いられるメジャーな外壁材です。
耐久性の高さが特長ですが、日頃から塗装が剥がれていないか、コーキングに割れがないかなどをチェックして早期にリフォームを行うことがさらに長持ちさせるコツといえます。
アートリフォームでは外壁のリフォーム実績も豊富なので、サイディング材を用いたリフォームも是非ご相談ください。