【マンションリフォームの注意点】トイレリフォームで気を付けること
やはりトイレは機能性が高く、清潔であってほしいものです。しかし、マンションでのトイレリフォームには制限があります。マンションにおけるトイレリフォームで気を付けるべきことについてまとめました。
■マンションにおけるトイレリフォームの制限
マンションにおけるトイレリフォームは排水方式や規約によって、選べるトイレに制限が生まれます。まずは自分のマンションやトイレのことについて、情報を把握しておきましょう。
・排水方式に注意
マンションでは、トイレの水を排水する方法が「床排水」と「壁排水」の2種類に分かれています。気に入ったトイレを見つけても、排水方法の違いによっては、取り付けられない可能性が高いので、まずは自分の住むマンションがどちらの方式を採用しているか、知った上でトイレを選びましょう。
<床排水>
もっとも一般的に用いられている方式で、床に接続されている配水管を通して、汚水を排出します。配水管は床の下を通っているため、目視では見えず、見た目的にもスッキリした印象のトイレです。便器後方の掃除もしやすく、床工事なしでの取り換えも可能です。
<壁排水>
壁排水は配管が便器後方から壁に向かって、繋がっている方式になります。昔は床下に空間がなかった為に、壁排水を採用している物件が多くありましたが、現在では一部のマンションや住宅に使用されているタイプとなっています。壁排水の場合は、トイレから配水管までの距離によって、便器の寸法が決まっており、120mm、148mm、155mmが一般的な寸法になっています。取り換える場合は、現状使用しているタイプと同じものを選ぶといいでしょう。
・マンションの管理規約
マンションには管理規約があり、共有部分はリフォームをしてはいけないという決まりがあります。共有部分には配水管が集合している「パイプスペース」が含まれます。その為、トイレを増設するといった、配水管の位置を変える工事は出来ません。
リフォームが可能な専有部分であっても、マンションごとに管理規約、使用細則が異なるので、自分の住んでいる場所が本当にリフォームできるか否かを必ず確認しましょう。
・物理的な問題
配水管を移動しない「トイレの交換」といったものでも、物理的にリフォーム不可能な場合があります。たとえば、配水管の高さによって、水の流れが悪くなる・逆流するといったケースです。
また、築30年を超えたマンションは、配水管が下の階の天井裏を通っている場合があり、水漏れを起こす可能性もあります。リフォーム業者に実際の現場を確認してもらい、しっかりとした計画を練りましょう。
■マンションに設置できるトイレの種類
マンションに設置できるトイレは、4種類あります。
・組み合わせトイレ
便器、タンク、便座を個別に選んで組み合わせるタイプのトイレです。
パーツが取り外せるので、故障した場合も修理費用を抑えられます。
トイレの中では最も手頃で、費用は10万円前後が相場です。
・タンク一体型トイレ
パーツが一体化したタイプで、美しく滑らかな見た目が特徴のトイレです。
掃除のしやすさがメリットである一方、一部が故障した場合も丸ごと交換しなければなりません。
費用は、20~30万円前後が相場です。
・タンクレストイレ
便器の後ろにタンクが備わっておらず、コンパクトでスタイリッシュなトイレです。
掃除がしやすいほか、トイレの空間を広く見せられるのが特徴ですが、手洗い器を別に取り付けなければなりません。
費用は、30万円台が相場です。
・システムトイレ
手洗い器や収納など空間全体を自由にレイアウトできるトイレです。
収納が備わっているので、ストックや掃除用具をまとめて保管できるものの、広さが足りないと設置できません。
費用は、40万円前後が相場です。
■トイレリフォームのポイント
リフォームをして、逆に使い勝手が悪くなってしまうのは避けたいですよね。トイレリフォームでは、トイレの機能や見た目ばかりに気がいってしまいがちですが、その他にも重視したいポイントがあります。
・床材の選択
トイレに適した床材は「クッションシート」と呼ばれるもので、素材はビニールできています。水、アンモニア、洗剤などに強いので、お手入れがしやすく長持ちしやすいです。
フローリングはナチュラルでおしゃれに見えますが、水に弱く、アンモニア成分で変色してしまうので、トイレの床材としては不向きです。
・便座の大きさ
ショールームは広い空間なので、大きな便座のトイレが良く見えてしまいがちです。しかし、実際に設置したら、空間が狭くなり使いにくくなったというケースもあります。
また、掃除する際にトイレの背後まで手が届くかどうかも、トイレの大きさを見るポイントになります。壁と便座先との距離が50㎝以上確保できるかどうかを目安に決めると、窮屈なトイレになることを回避できるでしょう。
・収納のレイアウト
収納のレイアウトも重要なポイントです。床に置くタイプのものは、下にほこりがたまりやすいので、掃除の際に移動する手間が増えてしまいます。吊り下げ式の戸棚を設置する場合も、扉の開き具合と身体の位置を考えてレイアウトを決めるようにしましょう。
■トイレのリフォームを成功させるには
トイレのリフォームを成功させるためのポイントをお伝えいたします。
・将来を見据えてリフォームする
現状のトイレに不便を感じているなら、早い段階でリフォームを計画しましょう。
また、リフォームの際は将来を見据えてバリアフリー対応の設備を取り入れると、家族が安心して長く使い続けられます。
・リフォームの予算を決める
トイレは湿気がこもりやすい分、基礎が傷みやすい場所です。
追加工事が発生しても困らないよう、余裕のある予算を立てましょう。
予算はリフォームの費用相場を参考にすると、決めやすくなります。
・床材の張り替えも検討する
便器を撤去した床には、黒ずんだ設置痕が残ることもあります。
完全に消えることは少なく、トイレの床には見えない汚れも溜まっています。
そのため、便器を交換するタイミングで、床材の張り替えも検討しましょう。
・好みの床材で空間を一新
床材を張り替える場合は、ホテルライクや北欧テイストなどイメージに合う床材を選んで、トイレをおしゃれにコーディネートしましょう。
<珊瑚石柄>
珊瑚(さんご)のやわらかな風合いを再現した床材です。
濃い色の小物を配置してモダンな雰囲気を演出したり、明るめの差し色を合わせてポップな雰囲気を演出したりと自由度の高いコーディネートが楽しめます。
<芦野石柄>
那須山で採取される芦野石(あしのいし)をモチーフにした床材です。
間接照明と組み合わせれば、シックで味わいのある雰囲気を感じられます。
高級感を演出したい場合におすすめです。
<ホワイトオニックス柄>
白い大理石柄で、スタイリッシュかつ高級感があります。
ホテルのような上品で洗練された雰囲気を演出するなら、内装を白で統一するのがおすすめです。
<ホワイトオーク柄>
やわらかな温かみがあり、ナチュラルをテーマにしたトイレにぴったりです。
北欧テイストの小物やアクセントクロスを合わせると、遊び心のあるトイレに仕上がります。
<ウォールナット柄>
存在感のある濃いブラウンで、重厚な温かみが感じられます。
内装の色数を抑えてシンプルに仕上げると、美しい木目の魅力が引き立つでしょう。
■トイレに必要な機能を検討しよう
トイレを快適に使用できる機能をご紹介いたします。
・オート開閉
センサーが人の動きを感知し、フタを自動で開閉します。
手を汚したくない方、使用しない間のにおいや湿気対策がしたい方におすすめです。
・夜間照明
便器の内側や足元をやさしく照らします。
夜中にトイレを使用する際も、個室の照明を付ける必要がありません。
・節水機能
水の動きを利用するので、少ない水量でも十分な洗浄力を発揮します。
1回分で約1/3の量が節水できます。
・自動洗浄
自動で水を流す機能です。
専用のタンクに洗剤を補充して、泡で内部を洗うタイプもあります。
・脱臭/消臭機能
便器がにおいを吸い込むので、個室内のにおいが気になりません。
よい香りを放出してくれるタイプもあります。
・防汚機能
使用中の汚れを防止するものや使用後に除菌作用のある水を放出するもの、汚れが付きにくい加工を施したものなど、さまざまなタイプがあります。
・フチなしトイレもおすすめ
便器のフチがないので汚れが残りにくく、掃除がしやすい設計のトイレもあります。
■トイレリフォームの流れ
最後に、トイレリフォームがどのような流れで進むのか?についてご説明します。
・工事期間と流れ
見積もりが確定したら、業者と共にリフォーム内容や場所について確認を行います。
工事期間は、トイレの交換なら約半日、空間全体を工事する場合は1~2日程が目安です。工事終了後は、業者と共に工事部分の確認し、トイレの動作確認をしてリフォーム終了となります。
数日はトイレが問題なく使えるかどうか、注意しておきましょう。
状況によっては、これよりも長くかかる場合があります。
・工事期間中のトイレの利用
工事期間中はトイレが使えなくなるので、その間の利用について考えておく必要があります。
もしマンションに共用トイレがないという場合、近くのコンビニへ借りにいく、近隣の家へ事情を説明して借りるなどの方法を取りましょう。
■マンションのトイレリフォームにかかる費用相場
マンショントイレのリフォームにかかる費用を工事の内容ごとにご紹介いたします。
・マンションのトイレリフォームにかかる費用相場
<便器のみ交換する場合>
便器の交換では便器の本体で価格が大きく異なります。
もっとも安いウォシュレットタイプなら5万円くらいが相場となります。ただしハイグレードなものを選ぶと10万円以上かかります。
機能性が高いタンクレスタイプになると20万円以上かかることも珍しくありません。
<便器以外に壁や床をリフォームする場合>
トイレの広さによって相場が多少異なりますが、20万円前後が相場となります。ただし機能性の高い便器や、消臭加工がある壁材を使うと費用が上がります。
<トイレ全体のリフォーム>
トイレ全体のリフォームでは便器の交換、床や壁のほか、手洗い場や収納の増設が入ります。安くても40万円くらいが相場になります。
便器選びは機能面だけでなく、実際にショールームなどで大きさを確認しておくと、より完成のイメージをつかみやすくなります。
・収納などを取り付ける場合
棚だけを設置する場合は、シンプルなものであれば3万円程度で設置可能です。埋め込み式や扉付きなどになると10万円ほどかかることがあります。
キャビネット付きのトイレにリフォームする場合はトイレの本体を入れて20万円からが相場となります。
■マンションのトイレリフォームで知っておきたいこと
マンションは戸建てと違い、管理規約などがあるので思うようにリフォームができないことがあります。マンションのトイレをリフォームしたい際は注意点をよく確認しておきましょう。
・トイレの増設は難しい
家族構成の変化などによって、トイレを増設したいと考える方もおられるかもしれません。
ですが、基本的にマンションでトイレの増設はできないようになっています。理由として、マンションの構造上、トイレの使用に十分な水量を確保できないことがあるからです。配管の工事が必要になると、ほかの部屋にまで影響が及ぶ可能性があります。もし、どうしても増設したい場合は、管理組合に聞いてみましょう。
・タンクレストイレは設置できない可能性がある
おしゃれでコンパクトなタンクレストイレは高い人気がありますが、これまでマンションの性質的に給水圧が低く、タンクレストイレが使用できませんでした。最近はタンクレストイレの設置ができるマンションも増えてきましたが、できるだけマンションで利用できるタンクレストイレを選ぶようにしましょう。
・賃貸マンションは自費でならリフォーム可能?
賃貸の場合、退去時に原状復帰が必要になっていることが多くなっています。そのため、勝手にリフォームを行うと後で原状復帰ができなくなることがあります。リフォームをしたい場合はまず。管理会社や賃主に確認をとりましょう。
・電源の確認
最近は便座を温める機能など、豊富な機能がついたトイレが多くあります。しかし、古いマンションの場合トイレに電源がないこともあります。また、コンセントがあっても位置によっては希望するトイレを設置できないケースもあります。電気工事の有無と、コンセントの位置を忘れずに確認しておきましょう。
・トイレットペーパーホルダーなどの位置も考える
トイレットペーパーホルダーや収納の位置も事前に測っておきましょう。特にタンクレストイレに変更する場合は、以前とは便座の位置が変わってため、トイレットペーパーホルダーまで手が届きにくくなることがあります。反対に近くなっても使いにくいトイレになりますので、必要があればトイレットペーパーホルダーの位置も変更するようにしましょう。
■まとめ
今回は、マンションにおけるトイレリフォームの注意点をまとめてみました。マンションでのリフォームは、事前に様々なことを確認しておく必要があります。
念入りに計画を立てて、快適なトイレを目指しましょう!
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