【マンションリフォーム】防音対策で騒音トラブルを避けよう
マンションで発生する近隣住民とのトラブル第1位は「騒音」です。
小さいお子様のいるご家庭や生活音はどんなに気をつけても防ぎきれません。お互い様と理解し合えれば良いですが、世代や生活リズムが違う場合はなかなか思うようにはいきません。そこで今回は防音効果を高めるマンションリフォームについてご紹介いたします。
■マンションの防音リフォームの必要性
そもそも防音リフォームはどうして必要なのでしょうか。こちらで防音リフォームの必要性をご紹介いたします。
・近隣トラブルの防止
マンションのように、異なる世帯が壁を隔てた1つの建物の中で生活をすると、どうしてもトラブルが起こりやすくなります。特に生活音は伝わりやすいため、お互いが快適に生活をするためにも必須といえるでしょう。
トラブルが発生する前に対策をすることで「近隣へ迷惑をかけていないか」という不安を抱えることもなくなります。
・子育てがしやすくなる
子どもの声は大人よりも高く、通りやすくなっています。つい遊びに夢中になり、大きな声を出してしまったり、足音などが響いてしまうのは子育てをしているとよくあることでしょう。
周囲へ迷惑をかけず、子どもをのびのびと育てるためにも防音リフォームは非常におすすめです。多少大きな音を立てても注意する頻度が減り、子育て世帯にとってストレスが少なくなります。
・趣味を楽しめる環境
楽器は大きな音で演奏すると気持ちがいいですよね。映画を鑑賞する際も、迫力や臨場感を求めるのであれば音響にこだわりたいものです。しかし、防音が不十分だと近隣トラブルになってしまいます。
防音リフォームを行えば、周囲への配慮をしつつ、趣味に没頭できる環境を作ることができますよ。
・プライバシーを守る
生活音が聞こえてしまうと近隣トラブルにつながるだけでなく、家族や自分のプライバシーも知られてしまいます。たとえば、毎日20時ごろに入浴している、午前中は掃除機をかけていることが多いなどです。特に若い女性や小さなお子さんが家族にいると、不安に感じる方が多いのではないでしょうか。防犯を意識するうえでも、防音リフォームは非常に役立ちます。
■知っていますか?防音と遮音と吸音の違い
一口に防音対策といっても、「防音」「遮音」「吸音」の3種類に分かれます。それぞれの特徴について調べてみました。
・騒音対策の違い
「防音」
外の音が部屋に伝わったり、部屋の音が外にもれることを防ぐことをいいます。防音の意味には次に紹介する遮音と吸音も含まれます。
「遮音」
屋根や外壁で音を跳ね返して伝わらないようにします。コンクリートは遮音性が高い素材です。
「吸音」
スポンジや布などを使い、音を吸収することで音の跳ね返りを防ぐことをいいます。
しっかりした防音対策をとる場合は、遮音と吸音を組み合わせる方法が大変有効です。
・手軽にできる防音対策
自分でできる簡易的な防音対策をご紹介いたします。
音を防ぎたい方向の壁に大きめの家具や本棚を置く、カーペットや畳を敷く、窓に厚手のカーテンを取り付けるといった工夫でも防音対策になるので、ぜひ試してみてください。
■防音効果を高めるリフォーム
「簡易の防音対策をしても音もれが気になる」という場合は、防音リフォームを検討してみましょう。防音リフォームには窓、壁、床の3種類があります。
・窓の防音リフォーム
窓の防音リフォームには防音効果のあるガラスを使うか、窓を外と内の2重窓にする方法が効果的です。
防音効果のあるガラスは2種類の異なる厚みのガラスを組み合わせたものと、特殊シートを2枚のガラスの間に挟んだものがあります。
2重窓の設置は、今ある窓に加えてもう一枚窓を取り付けるリフォームです。窓と窓の間に空気が入ることで音が吸収され、防音効果を発揮してくれます。
窓の防音リフォームにかかる費用は、窓ガラス…5~10万円、内窓の設置…7~14万円となっています。窓のサイズによって金額が変わりますので、詳しくはリフォーム会社に尋ねてみてください。
・壁
壁の防音リフォームは、壁の中に吸音材か遮音シートを埋め込む工事になります。費用は20~25万円くらいが目安になります。
また壁の換気口に防音効果のあるキャップを取付ける工事もあります。防音の加減によっては換気口のキャップ交換でも十分な防音効果を発揮します。工事費用は約5万円です。
・床
マンションの場合、下の階に響く生活音が気になるという人も多いのではないでしょうか。床の防音リフォームには床材の変更、遮音マットや吸音素材のいずれかがおすすめです。
床の防音リフォームにかかる費用は25~80万円と幅が広くなります。マンションの構造や規約によって可能な防音対策が変わるので、リフォーム会社に相談してみてください。
■目的別に適した防音リフォーム
防音リフォームにはさまざまな種類があるため、目的によってリフォームの内容を決めましょう。こちらでは一般的に多いとされる、3つの目的ごとに適した防音リフォームをご紹介いたします。
・騒音対策
住宅周辺の環境による、外からの騒音を防ぎたい場合におすすめなのが窓や壁の防音リフォームです。音は振動によって伝わるため、窓や壁が薄い場所は特に騒音が入りやすくなっています。そのため、防音性の高いガラスを使う、防音素材を新たに追加することで、振動しにくい住宅を作ることが重要です。
なお、窓ガラスの変更は5万円から、二重窓にする場合は7万円くらいからが相場です。防音材を壁に追加する場合は20万円前後必要になります。
・生活音対策
集合住宅などでトラブルになりやすいのが生活音です。生活音は床、壁、天井から伝わるため、自身の生活音だけでなく周囲からの生活音が気になる場合にも活用できます。
床を防音性の高い素材に変更する場合や、吸音材を入れる場合は30万円ほどが相場ですが、遮音カーペットを敷くだけなら5万円程度から可能です。
・楽器の演奏など
趣味や習い事などで楽器を演奏する場合は、防音室の設置をおすすめします。防音室があれば大きな音で演奏をしても周囲への迷惑になりませんし、思い切り趣味を楽しめますよ。
1室を防音室に変更するリフォームは100~700万円が相場です。ただし部屋の一角に組み立て式防音室を設置する場合は、50万円程度から設置できます。
■防音リフォームにも助成金がある
周辺の環境によっては防音リフォームも助成金の対象になることがあります。
・新幹線沿線
新幹線の沿線は「幹線道路の沿道の整備に関する法律(沿道法)」によって対象となる地域が定められています。該当する場合は、防音リフォームに助成金を使用できます。
・空港の近く
空港の近くは「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(騒防法)」で指定された地域があります。該当する場合は、防音リフォームに助成金を使用できます。
・自衛隊・米軍基地の近く
「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」によって基地飛行場の周辺住宅は原則として、防音リフォームの費用全額が助成対象になります。
■防音リフォームをするときの注意点
・管理規約を確認する
マンションリフォームでは事前に管理規約を確認することが必須です。
さらに管理組合に工事の申請や工事内容、工期などを記した書類を提出することが義務付けられていたりと、リフォームに基づいたルールがあります。管理規約には使用が認められない資材等が記載されている場合もあるので、きちんと目を通しておきましょう。
・近隣住民への挨拶を済ませる
防音リフォームの規模にもよりますが、壁や床のリフォームの場合、近隣住民へ迷惑をかけてしまうことが想定されます。リフォーム前にきちんと挨拶をし、工期やリフォーム内容の説明を済ませましょう。防音リフォームが騒音トラブルにならないよう丁寧な対応が求められます。
・木造の場合費用が高くなることもある
コンクリートのマンションはもともと遮音性が高い造りですが、木造のアパートだと防音リフォームの費用が高くなる場合があります。数社のリフォーム会社に見積をとって内容と金額に納得のいく会社に依頼しましょう。
・安すぎる業者は避ける
防音リフォームの費用は、どのリフォーム会社に見積を依頼しても大きく変わることはありません。相場から大きく下回る見積を出す業者は断るようにしましょう。防音素材の質が良くなかったり、経験の少ないアルバイトに施工を任せたりといったパターンが考えられます。
防音リフォームは「騒音トラブル」という精神的な負担を取り除いてくれる工事でもあります。実績が多く信頼できるリフォーム会社に依頼しましょう。
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