リノベーション前に確認したい住宅の「耐震性」耐震リフォーム工事の内容や費用は?
地震の多い日本では、大きな地震に備えて住宅の耐震性を高めたいと考える方は少なくありません。住宅をリノベーションする際はリノベーション前に必ず耐震性を確認し、快適なだけでなく安心して暮らせる住宅を叶えましょう。
今回はリノベーション前に確認しておきたい耐震性について、耐震リフォーム工事の内容や費用と併せてご紹介いたします。
■リノベーション前に耐震性を確認しよう
・そもそも耐震基準とは
耐震基準とは、建物の構造が一定の強さの地震に耐えられることを保証する基準です。耐震基準は大きな地震が起きる度に見直され、特に1981年には大きな改正がありました。そのため、それより前を「旧耐震基準」、後を「新耐震基準」と呼びます。
<旧耐震基準>
・中規模(震度5程度)の地震動で、大きな損傷を受けない
<新耐震基準>
・中規模(震度5強程度)の地震動で、ほとんど損傷しない
・大規模(震度6強~7に達する程度)の地震動で、倒壊・崩壊しない
このように旧耐震基準には大規模地震に対する基準がなく、中規模地震に対しても新耐震基準より低いことがわかります。また、阪神・淡路大震災での被害は、旧耐震基準で建築された建物に集中していたと言われています。
・築40年以上の住宅は注意
築40年以上の住宅は、旧耐震基準が適用されています。耐震リフォームは、どちらの耐震基準が適用されているかによって必要な工事が変わるため要注意です。現在の住まいや購入予定の中古住宅にどちらの耐震基準が適用されているかを確認しましょう。
・築年数の他に確認すべきこと
築年数の他にも、建物の経年劣化がどれくらい進んでいるかを確認することもおすすめします。特に住宅の基礎や外壁は耐震性に大きくかかわるため、ひび割れなどの劣化があれば耐震リフォームを検討したほうがよいでしょう。
■耐震リフォーム工事の内容と費用相場
・耐震リフォーム工事の内容と費用相場
耐震リフォームの費用は20~300万円ほどが相場です。選択する工事の内容によって大きな差があります。以下で代表的な耐震リフォーム工事内容と費用相場をご紹介します。
・耐震金具やブレースの取り付け:20~40万円
筋交いや柱などの接合部に耐震金具を取り付けたり、壁に筋交い(ブレース)を設置したりして耐震性を向上させる工事です。
・耐震パネルの取り付け:30~60万円
新たに壁を増やしたり、既存の壁に耐震パネルを取り付けたりして耐震性を向上させる工事です。
・屋根の補強と屋根材の取り換え:80~150万円
屋根材を金属ルーフなどの軽量のものに取り換えて建物への負担を軽減し、地震の揺れを小さくするための工事です。
・築年数が古いと費用が高くなる
一般的に築年数が古いほど耐震リフォームの費用は高くなり、その費用は築年数が10年増えるごとに30万円ずつ増加すると言われています。これは古くなるほど建物の劣化が進み、補修する箇所が多くなるためです。また、新耐震基準に合わせるには壁を増やすなどの大規模な工事が必要になりやすく、費用が高くなる傾向にあります。
・優先すべき工事は?
住宅全体ではなく、予算に応じた耐震リフォームがしたい方もおられるかと思います。その場合は土台や柱の補修もしくは交換をしましょう。次に壁の補強、土台や柱の補強、基礎部分(外壁含む)の補修、屋根材の取り換えの順に優先してください。とはいえ住宅の状態に合わせた耐震リフォームが重要です。業者に予算を伝えたうえでよく相談しましょう。
・耐震診断の費用について
木造住宅の場合、耐震診断の費用は20~40万円程度です。自治体によっては旧耐震基準で建設された木造住宅の場合は無料で耐震診断を行えることもあるので、チェックしてみてください。
アートリフォームでは耐震リフォームに関するご相談も承っております。ご不安な点がございましたら、リノベーションする前にぜひご相談ください。