マンションのユニットバス、リフォーム費用はどれくらい?
マンションの浴室の多くがユニットバスです。
ユニットバスと聞くと、トイレとお風呂が一体になっているタイプを想像するかもしれませんが、ユニットバスにはいろいろなタイプがあります。
今回はマンションのユニットバスをリフォームしたい方に向けて、ユニットバスの詳細やリフォーム費用についてご紹介したいと思います。
■マンションの多くはユニットバス!
まずはユニットバスがどんなものかをご説明いたします。
・浴室には2種類ある
浴室には『ユニットバス』と『在来工法』の2種類があります。
ユニットバスは「システムバス」とも呼び、壁、床、浴槽、シャワーなど浴室を構成するパーツがセットになっており、一体化しているため防水性が高いという特徴があります。
在来工法は浴室の下地材で防水し、上にタイルを貼って仕上げるタイプの浴室です。
サイズやデザインが自由なので、戸建てで採用されることがよくあります。
・ユニットバスのグレードについて
ユニットバスのグレードには3種類あります。
もっとも高価なトップクラスは本体価格のみで80万円以上、2番目のミドルクラスは50~80万円、標準的なベーシッククラスでは30~50万円となります。
工事費用は別途必要になりますので、本体価格だけで値段を決めず総合的に判断しましょう。
・ユニットバスは素材やオプションで値段が変わる
ユニットバスリフォームの価格は、施工内容、浴室の大きさ、グレード、デザイン、材質、機能性で異なります。
同じメーカーのユニットバスでも施工業者によって見積額が異なるので、複数の業者に見積を依頼してみましょう。
■ユニットバスのリフォーム費用と工事の内容
ここからはマンションのユニットバスリフォームにかかる費用と、工事の内容を具体的にご紹介いたします。
・リフォーム費用の相場は50万円から!
手頃なユニットバスなら本体価格(約20万円)と工事費用(約30万円)の合計で50万円ほど必要になります。グレードの高いユニットバスの場合、リフォーム費用を200万円ほどみておくとよいでしょう。
・ユニットバスの工事内容
新しいユニットバスに交換する流れについてご紹介いたします。
はじめに既存のユニットバスの解体・撤去作業を行い、必要に応じて配管と電気配線の工事が入ります。その後、新しいユニットバスの取り付け作業と調整で完了です。
工期は短くて4日程度、長くても2週間以内程度かかります。
・交換時期の目安について
ユニットバスの交換目安はおよそ15年といわれています。
浴室は住宅の中でもっとも湿気が溜まりやすく、汚れやカビが発生しやすい場所です。
毎日掃除しても完璧にきれいにすることが難しいので、汚れが徐々に蓄積されていきます。
カビが発生しやすいのは主に浴槽裏で、異臭の原因となることもあります。
ドアのパッキンはゴム製なので劣化して隙間ができ、浴室内の保温性の低下につながります。
浴室でカビのニオイがしたり、以前と比べて寒さを感じるようになった場合は、リフォームを考えるタイミングかもしれません。
■リフォームの注意点
マンションのバスルームリフォームで気をつけないといけない点を3つご紹介します。
・マンションの規約や構造以外に近隣住民に配慮を
前もってマンションの利用規約や建物の構造の確認をしておきましょう。
近隣住人への配慮も必要です。
マンションの掲示板に工事のお知らせを貼ったり、工事の詳細を記した通知を各ポストに入れたり、騒音や振動が伝わりやすい両隣、上下階、斜め前の住人には特に配慮が必要です。
また小さなお子さんのいるご家庭や年配の方は日中部屋にいることが多いので、ケガやトラブルに注意し、顔を合わせるたびに挨拶や声掛けをするとよいでしょう。
・マンションリフォームに強い業者を探そう
工事内容はもとより、近隣住民に丁寧な対応をしてくれる業者を選びたいですよね。
それならマンションリフォームの実績があり、経験豊富な業者に依頼するのが一番です。
■マンションのお風呂は広くすることは可能?
マンションでも広いお風呂にする方法はあります。
・浴槽のサイズアップと浴室のサイズアップについて
お風呂を広げたい場合、浴槽と浴室のどちらを広げるかで可能な手段が異なります。まずはどちらを目的にしているのかを明確にしましょう。
・ユニットバスの交換で広くなる可能性がある
浴槽を広くしたい場合は、ユニットバスの交換で広くなる可能性があります。特に古い建物の場合、適用できるユニットバスのサイズがまだ少なく、小さいものを導入していることがあります。また、浴室の大きさは同じでも浴槽が広いユニットバスもあるため、サイズを確認してみましょう。
・ユニットバスのサイズ表記について
ユニットバスのサイズ表記は、「1317」や「1616」などで表されます。
この数字は浴室の内径の奥行きと幅を意味し、全メーカー共通です。
たとえば、1216サイズは奥行き120cm×幅160cm、1317サイズは奥行き130cm×幅170cmを意味します。
使用しているユニットバスのサイズを知りたい場合は、向かい合う壁の距離を測りましょう。
ただし、ユニットバスの外寸は製品ごとに異なるため、注意が必要です。
たとえ内寸の表記が既存のユニットバスと同じでも、浴室に収まるとは限りません。
そのため、希望するユニットバスが自宅の浴室に合うかどうかは、リフォーム業者に確認するとよいでしょう。
また、リフォームの際は浴室の壁の厚みを考慮して、少し小さめのサイズを選びます。
・一般的なユニットバスのサイズ
ユニットバスのサイズは戸建て用とマンション用に分かれており、坪数で表すと0.75坪、1坪、1.25坪、1.5坪の4タイプが展開されています。
この中でマンションに設置できるユニットバスのサイズは0.75坪と1坪前後で、1418サイズ(0.75坪)または1620サイズ(1坪)と表記されるのが一般的です。
なお、以上のサイズはほとんどのメーカーが取り扱っています。
・ユニットバスの理想的な広さとは
マンションに多く普及しているのは0.75坪のユニットバスですが、ゆったりと浴槽に浸かりたいなら、1616サイズ(1坪)以上のユニットバスが理想です。
また、親子で入浴する場合や介護の必要な方が利用する場合は、洗い場が広めの1618サイズ(1.25坪)以上を選ぶと狭さを感じにくいでしょう。
■お風呂のリフォームに起こりやすい失敗
お風呂の快適性は、実際に使うまでわからないものです。
リフォームをする前に知っておくと参考になる失敗事例をご紹介いたします。
・浴槽が狭かった
浴槽で足を伸ばせるかどうかは、リフォームをするうえで大きなポイントです。
どんなに性能のよいユニットバスにリフォームしても、浴槽が狭いと快適とは言い難いでしょう。
浴槽の幅が140cm以上あれば、体の大きな方でもある程度足を伸ばせます。
・浴室が広すぎた
家族の入浴スタイルによって使い勝手が異なるため、浴室の広さに正解はありません。
とはいえ、必要以上に広い浴室は温まるまでに時間がかかるうえ、1人で入っていると落ち着かないと感じる方も多いでしょう。
また、広い浴室は掃除や湿気対策の時間と手間もかかるので、浴室を広くしたい場合はメンテナンスのしやすい素材を選ぶのがポイントです。
・素材の変更によりカビが増えた
場合によっては、素材の変更を行なったことで結露が発生しやすくなり、掃除と湿気対策の手間が増えるケースもあります。
リフォームをする際は、抗菌や防カビ加工が施されたユニットバスを選ぶと、カビ発生のストレスを軽減できるでしょう。
・メンテナンスに手間がかかる
テレビやジェットバス、ミストサウナなどの設備を取り付けたものの、使用しなくなるケースもあります。
使用しない設備でも、定期的に掃除やメンテンスは必要なので、設備や機能は最低限に絞ったほうがよいでしょう。
・デザインにより汚れが目立つ
最近のユニットバスは色やデザインに凝った製品が多く、カタログを見ているとわくわくします。
ハイグレードモデルの中にはスタイリッシュな浴室もありますが、色や質感によっては汚れが目立ちやすく、結果的に後悔するケースも少なくありません。
そのため、ユニットバスをリフォームをする際は事前に実物を確認するのがおすすめです。
・浴室を広くしたい場合はマンションの間取りを確認
浴室を広げたい場合は、壁が薄いユニットバスに交換すれば多少広くなります。しかし、大幅に広げたい場合は間取り変更をするしかありません。間取り変更が可能な場合は、隣の部屋の壁を取り払って拡張することになります。
マンションのリフォームは管理規約と、建物の構造の確認を忘れないようにしましょう。
■お風呂を広くするメリットとデメリット
お風呂を広げることでどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。こちらでご紹介いたします。
・メリット
浴室が広くなるとのびのびと入浴ができます。浴槽が大きくなれば足を延ばしてお湯につかることができますし、浴室が広ければお子さんと一緒でも入りやすくなるでしょう。
介護の必要な方が家族にいる場合も、広いお風呂の方が介護もしやすいため、バリアフリーにも効果があります。
また、広いお風呂は解放感があり、よりリラックスした入浴タイムを過ごせるでしょう。一日の疲れを癒す効果も高くなりますよ。
・デメリット
デメリットとしてはやはりリフォーム費用が高くなることが挙げられます。特に浴室を広げるために間取り変更をする場合は、工期も長くなってしまいがちです。
また、浴槽が広がることで一度の入浴に必要なお湯の量も増加します。お湯が増加すると当然、光熱費や水道代も高くなるため、維持費が高くなることもデメリットといえるでしょう。
さらに広い浴室は冷えやすいため、ヒートショックへの注意も必要です。
■リフォーム費用を抑えたい場合は部分リフォームという方法もある
リフォーム費用を抑えたい場合は、部分的なリフォームでも効果を得られることがあります。
・天井や壁材の変更
天井や壁はカビなどで汚れが目立ちやすいため、気になった場合は交換することをおすすめします。
費用は10~20万円で、工期は1~2日で終わります。
・床材の変更
床材は劣化すると壁や天井のようにカビが目立つほか、滑りやすくなることもあります。転倒のリスクを低減するためにも、気になった場合は早めに交換しましょう。床材は滑りにくい素材のものを選んでください。
費用は素材によって異なりますが、5~10万円が相場で、工期は1~2日です。
また、壁や天井、床は在来工法とユニットバスのどちらもあまり費用差はありません。
・浴室の塗装
多額の費用はかけたくないものの、浴室の汚れなどが気になる場合は浴室内の塗装をすることで美しくなります。手軽に行えるため、浴室内のイメージを変えたい場合にもおすすめです。
塗装には複数のコーティング剤があり、種類によって費用が異なりますが、相場は10~20万円で工期も1~2日です。ただしどの塗料を選んでも、10年以内に劣化が起こります。浴室そのものの寿命と併せて、塗り替えが適切かを考えましょう。
・換気扇の交換
浴室は湿気がこもりやすいため、換気扇の交換も時期に併せて行いましょう。換気扇の寿命はおよそ10年なので、浴室のほかの場所とまとめて行う方法もおすすめです。工期は数時間、費用も3万円程度です。
ただし暖房乾燥機に変更する場合は20万円以上かかることがあります。
■ユニットバスリフォーム2パターンの違い
・ユニットバスからユニットバスへのリフォーム
ユニットバスから新しいユニットバスへリフォームする場合、既存の浴室の解体費用が不要になる分、費用を抑えることができるため基本の工事費用は20~30万円程度となります。
これに電気配線や給排水管などの工事費用、ユニットバスの取り付け費用が加わります。
ユニットバス同士のリフォームは在来工法よりも工期が短く、3~4日程度で終わる場合が多いです。
・在来工法からユニットバスへのリフォーム
在来工法の浴室をユニットバスにリフォームする場合、既存の浴槽や壁、床などを撤去し、コンクリートを床面に敷いてユニットバスを安定して設置するための土台を作る必要があります。その後、電気配線や給排水管などの工事を行い、ユニットバスを取り付けます。
これら基本の工事費用を総額すると、30~40万円が相場だといえます。
基礎的な補修工事の場合は5~10万円程度、工期は5~7日程度の場合が多いです。
浴室の基礎部分が湿気で腐食していたり、水濡れしていたりする場合は補修工事が必要になり、追加費用がかかります。腐食や水濡れが広範囲に広がっている場合は大掛かりな補修が必要なため、費用が高くなってしまいます。腐食対策などの追加工事を行う場合は数日の追加工期が必要になります
■ユニットバスの浴槽素材について
・FRP製浴槽
FRPはガラス繊維強化プラスチックとも呼ばれ、浴槽に多く使われる素材です。
防水性に非常に優れている素材であり、塗装しやすい素材のため、塗装するだけで古くなってしまった浴槽を綺麗にすることができます。浴槽に傷がついてしまっても、部分的な継ぎ足し補修が可能であり、メンテナンス費用を抑えることが可能です。価格帯も手ごろでカラーバリエーションも豊富です。デメリットとしては汚れやすい点が挙げられます。
しかし、こまめに手入れしていれば綺麗な状態を保つことが可能です。
・人工大理石製浴槽
人工大理石は温かみがある質感が特徴です。表面が滑らかなため汚れ落ちが良く、きれいな状態を保ちやすい素材です。加工がしやすいため、デザインのバリエーションが豊富なのも魅力の一つです。
人工大理石に使用されている樹脂には、アクリル系とポリエステル系の2つがあります。
アクリル系は衝撃や熱に強く、風合いも豊かな樹脂です。ポリエステル系は手頃な価格が魅力の樹脂です。人工大理石のデメリットとしてはFRP製に比べると傷が付きやすい点が挙げられます。
・鋳物ホーロー製浴槽
鋳物ホーローは鋳物にガラス質をコーティングした素材であり、樹脂の光沢にはない輝きが特徴です。汚れ落ちが良くニオイも付きづらいほか、カビが生えにくいなど、掃除や手入れが簡単であるというメリットがあります。また、保温性に優れているため、身体が早く温まり、追い炊きも少ない回数で済ませることができます。
デメリットとしては、コーティングが傷ついたり剥がれたりしてしまうと、むき出しになった金属部分が錆びてしまい、劣化が早まってしまう点が挙げられます。
しかし、耐久性に優れている素材のため、経年劣化以外でコーティングが破損することはほとんどありません。設置の際は浴室補強や作りなおしが必要な場合もあるため、追加の工事費用や工期についても想定しておく必要があります。
・ヒノキ製浴槽
ヒノキは温かみのある肌触りや独特の香りが楽しめる素材です。保湿性が高く衝撃にも強いメリットがあります。木製のため、掃除やメンテナンスが面倒なイメージがありますが、最近では防水加工が施されているものもあり、大きな手間もなく綺麗に長く使うことができます。
デメリットとしては、価格が高額である点です。また、防水加工がしっかり取施されていなかった場合、ヌメリや黒ズミが発生してしまいます。
■リフォームの費用を抑える方法
・助成金制度を利用する
浴室のリフォームには、助成金制度が存在します。バリアフリーのための浴室リフォームの場合、介護保険制度やバリアフリーリフォームの制度が利用できます。
・補助金の制度は3種類!
補助金の制度は、国・地方自治体・介護保険の3種類に分けることができます。
国の助成金制度を利用する場合は、バリアフリーリフォーム、省エネリフォーム、長期優良住宅化リフォームが該当します。
自治体の助成金制度の内容は、各自治体によって異なります。
介護保険の場合は、要介護や要支援と認定された方がいるという条件が加わります。最大で20万円まで助成してもらえます。
・リフォーム減税を利用する際の注意点
国による助成金制度は、対象の工事と対象者の条件がそれぞれ異なります。さらに、毎年行われている制度ではない点にも注意が必要です。地方自治体の場合も同様であり、制度が実施されているかよく確認する必要があります。介護保険の助成金は、工事後に支払われる点にも注意が必要です。
アートリフォームはバスルームをはじめとしたマンションリフォームの実績が多く、ご利用になられたお客様から高評価をいただいております。
理想を叶えるマンションリフォームをお考えでしたら、アートリフォームにご相談ください。
ホームページには過去の施工例もたくさん掲載しておりますので、是非ご活用ください。
浴室にこだわりたいというときは、ジェットバスやミストサウナ、暖房乾燥機などいろいろな機能をオプションとして追加することも可能です。
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