【固定資産税】リフォームで上がるケース、下がるケース

貯金箱

固定資産税は、固定資産評価額に基づいて算出される税金で、土地や建物を所有する場合、管轄する市町村に税金を納付する義務が発生します。納付額は定期的に見直しが行われ、地域開発などで価値が上がればそれにともなって変動します。評価価値はリフォームでも変わります。今回は建物をリフォームした時に価値が上がった時の固定資産税についてご説明いたします。

■固定資産税とは

はじめに固定資産税を簡単にご紹介いたします。

・資産の評価額に基づいて算出される税金

毎年1月1日の時点で所有している土地や建物に対して課せられる税金です。

国土交通省が決定した土地や建物の価格の70%が固定資産評価額とされており、この固定資産評価額に標準税率(1.4%)をかけた額が固定資産税となります。

評価額は3年ごとに見直しが行われますが、基本的に家屋の状態が変わらなければ評価が変わることはありません。

土地の評価は年月を経ても変わらない、もしくは状況によっては少し変動します。

一方、建物の価値は年々下がる傾向にあるため、築年数が古い建物ほど固定資産税は安くなります。

■固定資産が変わらないリフォーム

固定資産税は家屋の状態が変わると、家屋調査によって評価額が見直されます。しかし、全てのリフォームが評価に影響するわけではありません。

固定資産税の変動に影響がないリフォームをご紹介いたします。

・耐震補強

本格的な耐震補強なら、梁、柱、基礎の着工が必要になります。そこまで大規模ではない耐震補強であれば、建物の評価に影響がないので固定資産税が上がることはありません。

・基礎部分に影響しないリフォーム

家の基礎に当たらない壁や柱、床、階段のリフォームです。

建築確認申請をする必要がない程度のリフォームは固定資産税変更に影響しません。

・間取りが変わらないリフォーム

内装の改修や変更といった内容のリフォームです。間取りの変更を伴わない場合は、建築確認申請の必要がないため評価額は変わりません。

しかし、柱を撤去するような大規模な間取り変更をするとなると、建築確認申請を行わなければならない場合があります。

固定資産税が上がるということは、建物の価値が上がったということです。

つまり経年劣化によるリフォームは「必要な補修を行った」とみなされ、固定資産税に影響を与えることはありません。

■リフォームすると固定資産税が上がる?

矢印

先ほど「建物の価値は年々下がるため、築年数が古くなるほど固定資産税が安くなる」とお伝えしましたが、次のようなリフォームをした場合は付加価値がついたとみなされ、固定資産税が上がります。

・固定資産税が上がるケース

固定資産税が上がるリフォームです。

①延べ床面積が増える

固定資産評価額は、床面積をもとに算出されます。

その為階数や部屋数を増やすと、建物の延べ床面積が増えるため、固定資産税が上がります。不動産登記の変更も必要になります。

②基礎のみを残した大規模リフォーム

柱や梁といった家の骨組みだけを残して行なう大規模リフォーム(スケルトンリフォーム)の場合、外観はもちろん、家の機能性や安全性が高まると判断されるため、建物の価値が上がります。いくら骨組みを残していても元の建物とは全く異なる建物に生まれ変わるため、固定資産税が大幅にアップする可能性があります。

③建物の利用目的を変更するためのリフォーム

建物の利用目的が変わる場合は、建築確認が必要となります。

利用目的が変わるとは、例えば居宅として使っていた家を一部リフォームし、店舗や事務所に利用するといった場合で、建物の価値が変わるので固定資産税は増額します。

建物の利用目的が変わった時は、登記の変更手続きが必要になります。

「建築確認申請をしなければ分からない」と安易に捉えてはいけません。建築確認申請は建築基準法で決まっており、違反すれば施主と施工会社の両者にペナルティーが科せられます。申請していないことが発覚すれば、万一の時に対応してもらえない可能性も予想されます。

■固定資産税が減るケース

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固定資産が下がるリフォームもあります。利用価値が上がるのに、固定資産税が下がるなんてお得ですよね♪

・耐震リフォーム

耐震リフォームを完了した翌年~2年分の固定資産税が半額になります。一戸当たりの床面積120㎡に相当する分までが、減額の対象です。

「1982年1月1日より前に建てられたもの」、「工事費用が50万円以上」、「新しい耐震基準を満たした改修工事であること」という条件を満たせば減額となります。

・バリアフリーリフォーム

バリアフリーリフォームをした翌年~1年分の固定資産税が1/3に減額されます。一戸当たりの床面積100㎡に相当する分までが、減額の対象です。

「該当するリフォーム内容であること」、「工事費用が50万円以上」、などが条件となっています。賃貸物件では減額を受けられないので注意してください。

・省エネリフォーム

省エネリフォームをした翌年~1年分の固定資産税が1/3に減額されます。一戸当たりの床面積120㎡に相当する分までが、減額の対象です。窓、床、天井、壁の断熱工事が省エネリフォームにあたります。

「2008年1月1日より前に建てられたもの」、「工事後床面積が50㎡以上」、「工事費用が50万円以上」、「工事内容に窓の改修が含まれており、省エネ基準に適合していること」、これらがクリアすべき条件です。

それぞれの条件に合致するかは専門的な判断が必要となるので、減税を視野に入れたリフォームを希望する場合はリフォーム会社に相談してください。

リフォームの規模によって建物の価値が上がり、それに比例して固定資産税が上がる仕組みをご紹介してまいりました。建築確認申請をすることは法律で決められているので、申請し忘れることのないよう注意しましょう。
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