【2023年】リノベーションで活用できる補助金制度を解説!

リノベーションで活用できる補助金制度を解説!

国や自治体は、既存住宅の長寿命化や性能向上を推進するべく、さまざまな補助金政策を行なっています。
そこで今回は、リノベーションで使える補助金制度を見ていきましょう。なかには受付が終了しているものもありますが、新年度から再び公募が始まったり似たような内容の制度が設けられたりと、見逃せない内容となっています。自宅のリノベーションを検討している方にとって、2023年はチャンスかもしれません。

■補助金制度を活用する際の注意点

リノベーションで活用できる補助金制度には、申請の期間や締め切りのタイミングがあらかじめ決められています。

・申請するタイミング

リノベーションに関する補助金制度の申請は、以下のような手順で工事の着工前に行うのが一般的です。

 

1. 補助金制度への申請
2. 審査
3. 申請の受理
4. 着工

しかし、耐震補強の補助金など一部の制度では、工事着工後の申請が可能なものもあります。地方公共団体ごとに制度の詳細が異なるため、申請を検討する際は事前に条件などを確認しておきましょう。

・制度の締め切り

基本的に補助金制度の締め切りは、予算の上限に達し次第終了します。
予算の上限は年度ごとに異なるため、前年度に追加公募されていた制度であっても、翌年度は2次募集で終了となる場合もあるでしょう。申し込む際は、施工会社と相談しながら時間に余裕をもって申請を行うことが大切です。

■補助金や助成金を活用しやすいリノベーションとは

この章では、補助金・助成金制度の対象になりやすい工事の内容について紹介します。

・バリアフリー・介護

バリアフリー・介護などの福祉関係に関するリノベーションは、高齢社会の日本において重要度が高いため、政府が積極的に支援を行なっています。各工事の内容は、以下の通りです。

  • 手すりの設置
  • 床の段差をスロープに変える
  • 開き戸を引き戸に変更
  • 床の素材を滑りにくいものに変更
  • 和式便器を洋式便器に取り換える

それぞれの地方自治体が実施している補助金制度と併用して利用できる場合もあるため、福祉関係に関するリノベーションは費用の削減がしやすい工事と言えるでしょう。

・エコ・省エネ・断熱

エコ・省エネ・断熱においても、社会的な背景を理由に国が積極的に支援しています。
具体的な工事の内容は、以下の通りです。

  • 断熱リフォーム
  • エコキュートなどの高効率給湯器の設置
  • 水の使用量を抑えたトイレへの変更
  • 太陽光発電・蓄電池の導入

申請できる補助金制度は国のものだけでなく、地方公共団体が独自に支援しているものもあるため、併せて確認してみましょう。

・耐震診断・耐震改修

地震が多い日本では、建物の耐震性能を確保することが重要であるため、耐震診断や耐震改修も補助金の対象に該当します。具体的な工事内容は、以下の通りです。

  • 耐震診断
  • 耐震補強・改修作業
  • ブロック塀の解体・撤去作業

 

特に、ブロック塀の解体・撤去作業は近年、費用の一部を負担するケースが増えているようです。ただし、補助対象は地域ごとに金額や建物の種類によって異なるため、申請する際は事前に確認しておきましょう。

■リノベーションで活用できる補助金制度

リノベーションで活用できる補助金制度について、詳しく紹介していきます。

・住宅省エネ2023キャンペーン

住宅省エネ2023キャンペーンは、環境保護の推進を目的として、断熱リフォームやエコキュートの導入などを支援する制度です。比較的新しい制度であるため、申請窓口が一元化されており、すべての手続きを登録事業者が代行するので、消費者側の手続きが必要ありません。具体的には、以下の3つの補助事業で構成されています。

<こどもエコすまい支援事業>

こどもエコすまい支援事業は、ZEH(ゼッチ)レベルの基準を満たす住宅省エネリフォーム工事に関する事業であり、以下の2点の申請要件を満たす方が対象です。

  • こどもエコすまい支援事業者と契約を結び、リフォーム工事をする方
  • リフォームする住宅の所有者などに該当する方

また、工事の内容は以下の通りですが、補助金額は工事する箇所によって大きく異なります。

さらに、補助金額の合計が5万円未満の場合は補助対象にならないため、注意が必要です。

対象の工事 補助金額
A 開口部の断熱改修 省エネ基準:3,000~34,000円/箇所

ZEH:3,000~45,000円/箇所

外壁、屋根・天井または床の断熱改修

()内は部分改修

省エネ基準:40,000~112,000円(20,000~56,000円)/戸

ZEH:54,000~151,000円(27,000~75,000円)/戸

エコ住宅設備の設置 5,000~64,000円
B※ 子育て対応改修 11,000~89,000円
防災性向上改修 15,000~37,000円
バリアフリー改修 5,000~28,000円
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 19,000~25,000円
リフォーム瑕疵(かし)保険などへの加入 7,000円/契約

※Bに関しては、Aと同時に工事する場合に限り対象です。

また、補助金の限度額は世帯条件やリフォーム・リノベーションの種類により異なるため、以下をご覧ください。

世帯要件 リフォーム・リノベーション 補助金の限度額
子育て・若者夫婦世帯 既存住宅購入後、リフォーム・リノベーション 60万円/戸
リフォーム・リノベーションのみ 45万円/戸
その他の世帯 安心R住宅を購入後、リフォーム・リノベーション 45万円/戸
安心R住宅以外の購入後、リフォーム・リノベーション

または、リフォーム・リノベーションのみ

30万円/戸

 

申請期間は、2023年3月31日から予算が上限になるまでの間になるため、早めに行いましょう。

<先進的窓リノベ事業>

先進的窓リノベ事業は、指定された商品を使用した既存住宅の窓リフォーム・リノベーション工事に関する事業であり、以下2点の申請要件を満たす方が対象です。

 

  • 窓リノベ事業事業者と契約を結び、窓のリフォーム工事をする方
  • 窓のリフォームをする住宅の所有者などに該当する方

 

また、工事の内容と補助金額は、以下の通りです。

工事の内容 戸建住宅・低層集合住宅の補助金額 戸建住宅・低層集合住宅の補助金額
ガラス交換 大:26,000~48,000円

中:17,000~30,000円

小・極小:4,000~8,000円

大:26,000~48,000円

中:17,000~30,000円

小・極小:4,000~8,000円

内窓設置 大:69,000~124,000円

中:4万7000~8万4000円

小・極小3万~5万3000円

大:69,000~124,000円

中:47,000~84,000円

小・極小:30,000~53,000円

外窓交換

(カバー工法)

大:102,000~183,000円

中:76,000~136,000円

小・極小:51,000~91,000円

大:89,000~221,000円

中:61,000~151,000円

小・極小:38,000~93,000円

外窓交換

(はつり工法)

大:102,000~183,000円

中:76,000~136,000円

小・極小:51,000~91,000円

大:123,000~221,000円

中:84,000~151,000円

小・極小:52,000~93,000円

 

補助金額の上限は、一戸あたり200万円で、上限額に達するまでリフォーム工事ごとに何度でも申請可能です。

しかし、申請受付は2023年3月31日から予算上限になるまでなので、受付は早めにしておきましょう。

<給湯省エネ事業>

給湯省エネ事業は、エコキュートなどの高効率給湯器の導入工事に関する事業であり、以下2点の申請要件を満たす方が対象です。

  • 給湯省エネ事業者と契約を結び、定められらたいくつかの方法で対象の高効率給湯器を導入する方
  • 対象の高効率給湯器を導入する住宅の所有者などに該当する方

補助金額とその上限は、以下のように導入する給湯器によって異なります。

導入する給湯器 補助金額 補助上限(住戸あたり)
エネファーム 15万円/台 戸建住宅:いずれか2台

共同住宅など:いずれか1台

ハイブリッド給湯器 5万円/台
エコキュート

 

中古品をリースして設置するケースであっても補助対象と認められますが、現在使用している機種に省エネ性能が劣る場合や施主支給品は補助の対象外です。

申請の受付は、他事業と同様で予算上限に達するまでなので、早めに済ませておきましょう。

・住宅エコリフォーム推進事業

住宅エコリフォーム推進事業とは、カーボンニュートラルの実現を目的として、ZEH(ゼッチ)レベルの基準を満たす住宅の改修に対する補助金制度です。

住宅省エネ2023キャンペーンと異なり、全世帯が申請可能なうえ、世帯ごとの補助金の違いもありません。補助対象となる工事は以下の通りですが、戸建て住宅に関しては上限512,700円まで補助が出ます。

  • 省エネ診断
  • 省エネ設計
  • 省エネ改修(建替え含む)

また、申請受付の期間は本年度の場合、令和5年5月26日~令和6年1月19日までです。

・長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅の耐久性や性能の向上に関するリフォームをサポートする補助金制度です。工事後の性能が高くなればなるほど補助金額も高くなりますが、長期優良住宅の認定を受けると最大200万円まで補助されます。

申請の要件は、以下の通りです。

 

  • 工事前に建物状況調査を行うことに加え、維持保全計画およびリフォームの履歴を作成する
  • 工事後に定められた性能基準を満たす
  • 下記のいずれかの工事を行う
    • 性能向上に資するリフォーム工事
    • 三世代同居対応改修工事
    • 子育て世帯向け改修工事
    • 防災性の向上改修工事
    • レジリエンス性の向上改修工事
  • 住戸面積の確保、居住環境、維持保全計画の策定の要件に見合っている

 

また、本年度の通年申請期間は令和5年5月8日~令和5年12月15日までとなっています。

 

・次世代省エネ建材の実証支援事業

次世代省エネ建材の実証支援事業は、経済産業省主導の最新かつ高性能な建材の普及促進を目的とした、既存住宅のリフォームに関する補助金制度です。

以下のような工事内容が補助金の対象となり、リフォームを行う住宅を所有している方向けに事業を運営しています。

 

  • 外張り断熱
  • 内張り断熱
  • 窓断熱

 

申請は事前に行い、必ず審査完了後に交付決定通知書を受け取ってから契約・着工しましょう。

 

・既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業は、省エネ効果が15%以上期待できる高性能建材を使用した断熱リフォームをサポートする事業です。

受け取れる補助金額はリフォーム費用の3分の1以内ですが、上限が決まっています。

 

  • 戸建:最大120万円
  • マンション:一戸あたり最大15万円

 

工事・着工前の事前申請が必要で、期間は令和5年3月20日~令和5年6月16日なので、早めに受付を済ませましょう。

 

・介護保険法にもとづく住宅改修費の支給

バリアフリーのリノベーションを行う際に、最も活用しやすい制度が「介護保険」です。

介護保険は、要支援者または要介護者に認定された方が居住する場合、上限金額を20万円として自己負担金額1~3割で、バリアフリーの工事を行うことができます。詳しく知りたい方は、お住まいの市区町村役場窓口へ相談してみましょう。

■リノベーションに使えそうな減税や融資もチェック

この章では、リノベーションを検討する際におすすめの減税や融資について紹介します。

・住宅ローン減税

住宅ローン減税制度とは、償却期間10年以上の住宅ローンがある場合に、リフォーム・リノベーションを行うと、ローンの年末残高のうち0.7%が所得税から控除される制度です。

 

・耐震改修に関する減税

既存住宅において耐震リフォーム工事を行なった場合、その費用の10%が所得税控除となる制度で、最大控除額は62.5万円です。

 

・省エネ改修に関する減税

個人所有している居住住宅で省エネリフォーム工事を行なった場合に、その費用の10%が所得税控除となる制度です。

最大控除額は62.5万円で、太陽光発電を設置する場合は67.5万円まで限度額が上がりますが、住宅ローン減税と併用はできないため、注意してください。

 

・バリアフリー改修に関する減税

バリアフリー改修工事の要件を満たす方がリフォームを行なった場合に、費用の10%が所得税控除となる制度です。バリアフリー改修工事の要件には、以下が該当します。

 

  • 50歳以上の方
  • 要介護または要支援の認定者
  • 所得税法上の障害者に該当する方
  • 高齢者である親族との同居が常況となっている方

 

最大控除額は60万円で、こちらも住宅ローン減税との併用はできません。

 

・長期優良住宅化リフォームに関する減税

耐震性や省エネルギー性、バリアフリー性など一定の条件が認められた長期優良住宅の認定を行政庁から受けた場合に、費用の10%が所得税控除となる制度です。

長期優良住宅の認定は着工前に申請する必要があり、最大75万円(太陽光発電設備の設置で最大控除額80万円)が控除されます。

ただし、住宅ローン減税と併用することはできないため、注意しておきましょう。

 

・同居対応改修に関する減税

既存住宅に一定の条件のもと三世代同居リフォーム工事を行うと、費用の10%が所得税控除されます。

この条件は、キッチンやバスルーム、トイレ、玄関のうち2つ以上があることで、控除額の上限は62.5万円です。また、住宅ローン減税との併用はできません。

 

・贈与税の非課税措置

直系尊属からリフォーム費用資金を贈与された場合に一定の条件を満たすことで、一定額までの贈与税を免除できる制度です。

非課税の対象となる金額の上限は500万円で、税制改正に伴い申請期間が2023年12月31日までに延長されたため、条件に当てはまる方は検討してみてはいかがでしょうか。

 

・グリーンリフォームローン

グリーンリフォームローンは、住宅金融支援機構が省エネリフォームを検討している方に向けて融資を行います。

自らが居住・利用する住宅か、親族が居住する住宅の省エネリフォームを行う場合に融資を受けることができ、以下の工事が対象です。

 

  • 断熱改修工事
  • 省エネ設備設置工事

 

また、次のいずれかのうち低い金額まで融資が可能です。

 

  • 500万円
  • 省エネリフォーム工事費の2倍
  • リフォーム工事費

 

しかし、利用上の注意点として工事要件を満たす必要があるほか、適合証明検査機関に検査してもらい適合証明書を取得しなければなりません。

またその際に、検査手数料がかかるため、注意が必要です。

■まとめ

アートリフォームでは、リノベーションの補助金について、気軽に相談可能です。専門家がチームを組み、お客様のご希望に沿った物件探しや現地調査など、丁寧なサービスを心がけています。リノベーションに関してのお悩みやご相談がある方は、ぜひご利用ください。

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